第144話 ヨブ 独白と神への問いかけ
三人の友から批判され、裁かれ、追い詰められて……ヨブは心身共にボロボロです。友達と思っていた人からの厳しい言葉はヨブを孤独にさせました。
この三人のバックにいるもの、お分かりでしょうか?そうです。サタンです。ヨブを神への信仰から引き離すための、戦略です。子供や物を失っても信仰を捨てなかったヨブ。三人の友の言葉で心に疑念を植え付けようとしたのです。
しかし、ヨブは孤独になった事で、心を神に向け、神に問いかける時間を与えられたのです。
ヨブの独白は、私たち現代人にも考えさせられる事、疑問に思う事かもしれません。
「女から生まれる人は寿命が短く、悩みに満ちています。花のように咲出て枯れ、影のように飛び去ります。あなたはこのようなものにも目を開き、裁かれるのですか?」
そうですね、人としてこの世に生まれても、70年か、80年の命。悩みに満ちた人生を歩んで、死んでいきます。何のために生まれ、何のために死ぬのか!神に裁かれるための人生なのでしょうか?儚く、切ない一生だとヨブは嘆きます。
「木には望みがあります。たとえ切られてもまた芽を出し、その若枝は絶える事がありません。しかし、人間は死ぬと倒れたきりです。人は息絶えるとどこにいるのでしょうか?」
植物の命と人間の命を対比させています。樹齢800年とかありますものね。人間は死んだらそれまでなのか、それとも何かが残るのかを問いかけています。単刀直入に問いかけます。
「人は死ぬともう一度生きられるでしょうか?あなたは呼んで下さり、私は答えます!あなたはご自分の手で造った人に、再び会いたいと願います!」
ヨブの病気はひどくなっていく一方だったのでしょう。かなり弱気になって死を予期していると思います。
「ヨブよ!目を覚ましなさい。ヨブよ!」
キリスト教では、この聖書の言葉が復活の根拠となります。創造者はもう一度、亡くなった人を地上に生き返らせる解釈と、神と同じ領域、天に霊者として復活させる解釈があります。お好きな方でどうぞ。
「ハナスよ!目を覚ましなさい、ハナスよ」
目を開けたら、閻魔大王かもしれません。笑
ヨブの神に対する信仰は失われてはいませんでした。天地創造の神、全能者に対して希望のうちに自分の信仰を言い表したのです。アッパレ。
「しかし、今は私の行動の一つ一つに注目し、私の罪だけを見ています」
ヨブ14章の最後の言葉はマイナー思考の発言です。ヨブは神に監視されている、その事が苦痛だと弱音を吐きました。
その言葉を聞き逃さないのが、あいつらです。
またエリパズが二回目の発言をします。このあとビルダド、ツォファルと続きます。
ヨブがんばれー!言い返していいからね!
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