第140話 ヨブ 試練 2

 家畜と召し使いを殺され、子供たち全員を失ったヨブ。その報告を聞くと、ヨブは衣服を切り裂き、髪を切り落とし、ひれ伏します。


「母から生まれた時は裸だった。だから裸で戻ろう。神が与え、神が取り去った!神の名が引き続き賛美されますように」


 ♪どぉーせぇ~死ぬぅときゃ、裸じゃないか♪

 演歌の歌詞のような事をヨブは言います。


 生まれてくるときも裸、死ぬ時も裸。富も子供たちも墓には持っていけない。むしろ神が全てを与えて下さり、神が取り去ったのだから、文句は言いません。という考えを言い表します。


 サタンはそれを見てお怒りモード。

「神はなぜ、私に試練を与えるのでしょうか?」

 そう泣きながら、苦しみの原因を神のせいにすると思ったのです。試練にあっても忠実なヨブにプチ切れ。

 

「自分自身が苦しめば、神を呪うと思います。試しにあなたの手を出して、ヨブの体に傷を負わせて下さい。彼はきっと面と向かってあなたを侮辱します」サタンは再度神に挑戦しました。


 確かに家畜と召し使いと子供たちを失っても、ヨブの体は元気です。人間誰でも自分がかわいい。うん、サタンの考えも理解できます。


「いいだろう。あなたの手に委ねよう。ただし、命を奪ってはならない!」


 神様はまたもやヨブに試練を与えることを、サタンに許しました。サタンはヨブの体に腫れ物を生じさせます。頭のてっぺんから足の裏まで、ひどい潰瘍です。痛みを伴います。ヨブ大丈夫?


 私は、蚊に刺されただけでも苛つきます。ダニやノミに刺されたら発狂します。蕁麻疹では眠れません。ヨブは全身痒くて、土器のカケラで体を掻きます。血が出たよね?膿んだよね?痛くて眠れないよね?可哀想なヨブ。


 外で灰の中に座りました。聖書の中で灰は悲嘆と苦悩、失意を表します。そんな状況のヨブに声をかける者が現れました。妻です。


 潰瘍を手当てしてくれるのでしょうか?

「こうなっても、まだ神に忠誠を尽くそうとするの?神を呪って!」

 なんとひどい言葉ではないでしょうか?夫に向かって死ねって。まあ妻も人間です。大富豪から貧乏になり、子供も亡くなって辛いよね。おまけに夫は見るも無惨な皮膚病です。いっそ死んでくれたらと思うのも頷けます。けど、慰めて欲しいよね。妻の言葉が一番キツイかもしれません。


「神から良いことだけを受けて、悪い事は受けないのだろうか」ヨブは妻をたしなめます。


 ヨブは言葉でも罪を犯しませんでした。神様の事を悪く言わなかったのです。


 ヨブアッパレ‼サタンイライラ。そこへヨブの災難を聞いた三人の友達が、ヨブのもとにお見舞いに来ます。シュアハ人ビルダド、ナアマ人ツォファル、テマン人エリパズです。


 彼らはヨブに何を言って慰めてあげるのでしょうか?ヨブがんばれー!

 

 

 


 

 

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