第133話 ヨシュア ギベオン人の策略

 エリコとアイを倒壊させたイスラエル軍お疲れ様でした。ヨシュアはギルガルに宿営し、次に攻める国について部族の長たちと作戦会議をしておりました。ヘト人、アモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の王たちは、イスラエルを怖れて同盟を結んでいたのです。


 そんなとき、ボロボロの服を着たオッサンがイスラエルに物申すとやって来ました。


 ホームレスの方かしら?アイの住民の生き残り?もしかしたらハロウィンの仮装ですか?


「私どもは、非常に遠い土地からあなたの神の名声を聞いてやって参りました」9:5

 服もサンダルも継ぎはぎで、擦りきれた袋を担いでいます。中に入っていたパンは乾いてぼそぼそです。食べたら、口の中の水分奪ってカラカラ、パッサパサの不味そうなパンです。


 ヨシュアはその持ち物や、身なりから遠くに住む人達であることを少し信じます。


 この人達の正体は……ギベオン人です。ヨシュアの宿営ギルガルからわずか30キロの所に住むカナンの住民です。


 彼らはエリコのラハブが、信仰を示して生き残った事を知っていました。それを話すと近くに住んでいる事がバレてしまいます。あえて遠くのエジブトでの奇跡や、アモリ人のシホン王とオグ王に勝利したイスラエル軍の事を語りました。


 ヨシュアは自分の神の事を誉められてご機嫌。

 そしてイスラエルの神の強さを認める、この汚ならしいオッサンを派遣した国と契約を結びます。ギベオンの王は賢い人です。イスラエルの神が示される条件を受け入れ、平和と安全を手に入れようとしています。


「私は、彼らを生き長らえさせる契約を彼らと結ぶ。彼らを生かしておいて、まきを集める者、水をくむ者とする」

 

 ヨシュアはギベオン人を奴隷として生かす事により、契約を結びました。ギベオン人はヨシュアの仕える神を恐れているので、条件を受け入れます。よかったね、これで命の補償を得ました。


 まきを集め、水をくむ仕事はとても卑しい奴隷の仕事です。ギベオン人はカナンの子孫です。


プチ情報――有名なノアをご存知ですか?そうです、あの方舟のノアです。ノアと妻、三人の息子は大洪水を生き残りました。息子の名前はセム、ハム、ヤペテです。

 ノアは大洪水後、畑を耕し、ぶどうを栽培。そのぶどうで、お酒を作りました。そのぶどう酒飲んで酩酊し、素っ裸で寝てました。息子のハムが見つけて、二人にノアの醜態を告げます。セムとヤペテは父親に敬意を示して裸を見ないように、体を覆います。しばらくしてノアが起きて、激怒します。

「カナンは呪われよ!兄弟達の中で最も卑しい奴隷になれ!」創世記9:25


これはノアがカナンの子孫に宣告した呪いの言葉です。カナンはハムの一番下の息子です。告げ口したハムではなく、ハムの息子のカナンに宣告していますね。聖書には理由が書いてありません。寝ているおじいちゃんノアにカナンがワイセツな行為をしたのではないかと資料にありました。ノアのチン○を見て興奮したのかしら?カナンはきっと思春期で興味あったのかな。知らんけど。

 何はともあれ、カナンの子孫はセムとヤペテの子孫に奴隷として仕えるという呪いです。カナンの子孫ギベオン人がイスラエルの奴隷となり、ノアの言葉が成就しました。


 この言葉を間違って当てはめ、白人が黒人を奴隷として扱うという悲しい歴史があります。残念


――ギベオンとイスラエルが和平を結んだことを聞いて周りの諸国家が同盟を結びます。ギベオンは大きな町、そしてギベオンの兵士は強いのです。エルサレムの王アドニシェデグ、ヘブロンの王ホハフ、ヤルムトの王ピルアム、ラキシュの王ヤフィア、エグロンの王デビルは裏切り者ギベオン人と敵イスラエル軍に闘いを仕掛けます。


「あなたの奴隷たちを見棄てないで下さい!山地の王たちは、私たちを攻めようと集結しました」

 ヨシュアはギベオン人の報告を聞いて、ギベオン人を守るために奇襲攻撃を仕掛けます。


 実は汚ないオッサンと契約を結んだ三日後に、ヨシュアはギベオン人の正体を知りました。しかし、一度結んだ契約です。ヨシュアはギベオン人の命を守ると約束したのです。カッコいい!


 五人の王たちもイスラエルを攻めてきました。ヨシュアがんばれー!

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