第122話 ヨナ タルシシュへ逃げる
ヨナは荷造りをしています。1ヶ月分の衣服とお金、食べ物を袋に詰め込みます。
預言者は貧乏慣れっこなので、慎ましく生活することには自信があります。神様を信頼しているので、必要な物質はその都度与えられると信じています。ヨナカッコいい!行ってらっしゃい。
えっ、ニネベは東ですよ。何故に西へ行くのですか?「西へ行くんだ、ニンニキニンニンニン」
ヨナの鼻歌が聞こえてきます。えっ、どうしてヨッパに行くのですか?そこは港町です。あらー、船賃払ってますね、それ貨物船ですが、乗り込んじゃうんだー。
「♪タルシシュ行きの貨物船が~桟橋で待ってるよ~♪」ヨナは鼻歌交じりで、いや恐る恐る船に乗り込みました。
タルシシュ、そこは現在のスペインだと言われています。ニネベからは3500キロ離れた場所。
ということは、2800キロの船旅ですか?ゲロるよ、早く降りなさい!
「ヨナは神から逃げてタルシシュに行こうとした」ヨナ1:3 逃げたんです。ニネベに行くの止めたんですね。アッシリア人怖いものね。殺されちゃうものね。賢明です。それでいいと思います。「逃げるは恥」そんな言葉は埋葬します。
ヨナは神様から与えられた任務を放棄したかったのでしょう。タルシシュは裕福な町です。そこに行ってお金を稼ぐつもりだったんですね。
親に反抗して家出するときと同じですね。なるだけ遠くに、けれど働き口が多い町に逃げるものです。知らんけど。私は温泉街に逃げて、旅館住み込みで働きたいな。憧れるー。何の話?
神様は何処に逃げてもヨナを見つけ出す事が出来ます。ヨナが貨物船の奥でぐっすり眠っていることをご存知です。タルシシュに着くまで待ってはくれません。
大嵐を起こしました。海は大荒れです。船長も船員も今まで経験した事のない嵐に大パニック。
超自然的な事が起きていると感じて、船に乗っている全ての人に、自分の神に祈るよう指示します。大型船なのに沈みそうで、船を軽くするために荷物を海に投げ捨てます。
ヨナは逃げているので、神様に祈ることが出来ません。現実逃避してまた眠ります。
誰のせいでこんな超自然な嵐になっているのかと揺れる甲板の上で、船員がくじを引きます。
この人じゃない、この人も違う。くじを引いている間も船は揺れています。船長は爆睡のヨナを起こしてみんなの前に出るよう言います。
くじはヨナに当たったからです。ヨナは全ての事を話します。自分は神の預言者で、与えられた任務から免れるために逃げている途中だと。
「……?……?」
船長も船員もびっくり仰天。どうすればこの嵐を静めて下さるのかヨナに聞きます。
「私を抱えて海に放り込んで下さい。そうすれば、海は静まります。嵐は私のせいで起きているのです。海に放り込んで下さい!」
ヨナは答えますが、船長も船員もそんな事はしたくありません。ある意味殺人です。
海の男達はもう一度船をこいで、陸に向かいますが、もっと嵐がひどくなり断念。ヨナを海に放り込みました。
ヨナは海にサブン、ブクブクブク。
嵐がすぐに止みました。船長も船員もイスラエルの神に感謝の祈りを捧げます。被害者です。しかし最後まで諦めないその姿勢天晴れです。
ヨナは沈まないように必死でもがいたでしょう。水もたくさん飲んだ事でしょう。海草が頭に巻き付いたとも書いているので、かなり深く沈み、また浮き上がり……死を覚悟したと思います。
そんな時、ヨナに近づく巨大生物がいました。
ヨナがんばれー!
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