第103話 エリヤ 大雨が降る!

「上って行って飲み食いしなさい。大雨の騒然とした音がするからです!」列王記第一18:41

 エリヤはアハブ王にこう言います。「大雨が降る前に食事を済ませろ!」との命令ですね。


 アハブ、火が天から降って来たの見たでしょ?ご飯食べてる場合じゃないでしょ!悔い改めの断食をしなさい!歴代の王様が泣きますよ。


 アハブはエリヤの雨が降るという言葉を信じてません。いや、お腹が空いていたのでしょう。ご飯食べるためにその場を離れます。エリヤドン引き。


 エリヤは水平線が見渡せる高い場所に上ります。大雨を祈り求めるためです。干ばつを終わらせる神の約束を信じていましたが、その大いなる業によって、イスラエルの神が讃えられる事を願い求めるのです。地にかがみこみ、顔を膝の間に入れて祈ります。エリヤは謙遜な預言者です。


 祈りのあと、エリヤは共にいた従者に、雨が降りそうかどうか、海の方を見てくるように命じます。

「全然何もありません」「戻ってみなさい」

 何度も同じやり取りをします。7度目に、「人の手のひらのような小さな雲が、海から上ってきます!」従者の返事。雨が降る兆候です。


 エリヤはすぐ従者をアハブのところに遣わします。口の回りに米粒つけた(知らんけど)アハブはエリヤの伝言通りにします。

 大雨で道がぐちゃぐちゃになるから、早く兵車で下れという伝言です。


 これからもっと暗くなるでしょう。


――小さな雲が大海の水平線に現れ、天が暗くなります。雲と風が出て来ました。

 大雨キター!スコールような嵐のような大雨。


3年半ぶりの大雨です。イスラエルの民の喜びの声が聞こえます。エリヤも神が約束を果たして下さり嬉しかったでしょう。イスラエルの神の勝利の日です。エリヤ良かったね。


 アハブは兵車で30キロ離れたエズレルに戻ります。そのあとを追いかけるエリヤ。エリヤ走っています。「神の手がエリヤの上にあったので、彼は腰をからげて、エズレルまでずっとアハブの前を走った」第一18:46


アハブの前を走った――そうです、神の力を頂いて、背筋をまっすぐに、走りやすいように服を捲し上げて走る!アハブに追い付き、アハブを追い越すのです。初老のエリヤが20代の陸上選手のように、30キロの道のりを走るのです。

 

 イスラエルの神は粋な事をされますね。これもまた、「若返る」という将来の約束の予表なのです。死んだ人間を復活させ、年配者を若返らせるという希望は、イエス・キリストの千年統治に実現するらしいです。信じる信じない、お好きな方でどうぞ。私はシミもシワもないピチピチの肌になりたい!若返るなら、二十歳の頃がいいな。


 いずれにしても、エリヤは大雨の中を大喜びで走ったでしょう。

 アハブ王は改心するに違いない!ヒステリー妻イゼベルを説得しバアル崇拝を根絶するに違いない!きっとそうだ、そうに違いない!


 もう少しでエズレルです!アハブの兵車が到着する前にゴールしそうなエリヤ。エリヤの期待はどうなるでしょうか?エリヤがんばれー!


 


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