第104話 エリヤ イゼベルから逃げる
エリヤはエズレルにやっと到着しました。スタミナあって走ってもやはり、人間の体です。疲れも出て来ました。従者とエズレルの静かな場所を探し、眠ります。雨に濡れたし、汗もかいたね。風邪ひかないように気を付けて下さい。
エリヤの後を追って、アハブも到着。エズレルにある宮殿に入ります。
アハブ王はイゼベルに一日あった事を話します。エリヤがバアルの預言者を殺した話だけです。イスラエルの神が起こした奇跡を一つも話しません。子供かよっ。神様に怒られても知らん。
それを聞いたイゼベルは怒り狂います。アハブはわざとイゼベルを怒らせて、復讐心を燃え上がらせようとしたんでしょうか?馬鹿なのかな。
イゼベルは24時間以内にエリヤを殺すように命令。もし殺せないのなら、自分が死ぬとまでわめきたてます。めんどくさっ。ヒステリー妻乱心。
イゼベルの使者は、エリヤを捜しだし、「お前を24時間以内に殺す」というイゼベルの伝言を伝えました。
エリヤ、怖かったでしょうね。本当に仲間の預言者を殺しまくっていたイゼベルの言葉です。
イゼベルの使者は殺そうと思えば殺せたのに、伝言しただけでした。反イゼベルでしょ。
エリヤは殺害の脅しを受けて、従者と共に逃げました。死海南部のベエル・シェバまで150キロの道のりを逃げるのです。
アハブ王が改心していない事に落胆したでしょう。ヒステリーババ、あっ、妻のしつこさに嫌気もさした事でしょう。
聖書の記述は、「エリヤは恐れた」とあります。450人に立ち向かったあの勇気は?神の奇跡を見ても変わらない王、背教者を恐れたのです。
ベエル・シェバに着くと、エリヤは従者と別れて、ひとり荒野を歩きます。ボロボロです。
エニシダの木を見つけました。その木の下に座ります。日陰が欲しかったのでしょうか?
「もう、十分です。神よ、どうぞ私の命を取り去って下さい!……もう私は預言者として役に立ちません」死なせて下さいと懇願します。
エリヤは力尽き……疲れ果てて寝てしまいました。幼い子供のようですね。可哀想に。
神様はボロボロになった預言者をどう元気づけるでしょうか?
ひとりの天使をエリヤの元に遣わします。天使は、ぐったりと横たわるエリヤを優しく起こします。
「起きて食べなさい」なっなんと、食べ物持参。
熱い石の上でパンを焼き、与えます。意気消沈した人間に、温かい食べ物を与える神様って優しい!熱々焼きたてパン、美味しそうです。
私なら、コーヒーもおねだりしますが、天使は水をエリヤに与えました。やっぱり水って大事なんですね。
エリヤは起こされて、食べ、飲み、また眠ります。天使と会話をすることなく、またスやっと眠りに入ります。赤ちゃんみたいですね。
天使はずっとそばにいてあげたことでしょう。
明け方になると、またエリヤを起こします。
パン食べ放題ですか?
「起きて食べなさい!旅はあなたにとって大変だからです!」
これからの旅に備えさせるための食事を与えます。肉体を持たない神様と、天使が人間の身体の限界を知っていて下さる……優しいんですね。
イスラエルの神は、エリヤをまだ預言者として用いるつもりでしょう。「役に立ちません」というエリヤは、天使の励ましから自尊心を保つ事が出来たのです。神様の気遣いを感じとるエリヤ。
自尊心低下、自殺願望ある人には、焼きたてパンを与える精神で近づきたいと思います。言葉じゃなくて、実際的な助けをそっと差し出す、ソウイウモノニワタシモナリタイ。
旅、それは300キロ先にあるホレブまでの過酷な旅でした。徒歩で1か月半の旅。しかも40日40夜飲まず食わずの旅です。
エリヤがんばれー!
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