第100話 エリヤ 神様に養われる
ケリトの谷に着いたエリヤは、ここで命が終わりだと思ったでしょうか?信仰の人です。神様が何とかしてくれると、確信を持っていたでしょう。
「そこの川の水を飲むとよい。私はワタリガラスに命じて、あなたの所に食べ物を運ばせる」列王第一17:4
さすが神様ですね。隠れる場所は、水のあるところです。ワタリガラスというのもいいチョイスです。汚ならしい鳥(カラスに謝れ)が食べ物を運んでも、不思議に思われません。雑食のカラスですから、肉や、パンをくわえて飛んでいても、まさかエリヤの元に運んでいるなんて想像もつかないでしょう。
これが白い鳩なら、怪しいです。いやしいワタリガラス(謝れ!)が途中で食べてしまわずにエリヤに運ぶのです。奇跡ですね。
律儀に朝と夕方、1日2回肉とパンを運ぶってお疲れ様です。エリヤは神に感謝しながら、カラスがペッしたパンを食べた事でしょう。エリヤ、潔癖症じゃなくて良かったですね。
しかし、何日か経つと、川も干上がりました。
「さあ、シドンの町、ザレパテに行き、そこに滞在しなさい。そこで、一人のやもめに命じてあなたに食べ物を与えさせる」17:9
今度は神様、一人のやもめにエリヤを養わせるそうです。夫をなくしたその女性は、息子と二人暮らしでした。シドンの町も何日も雨が降らないので、飢饉が迫っていました。
町の入り口でエリヤはやもめに会います。水とパンをお願いします。やもめはこう答えます。
「あなたの生きている神に誓って言います。私の所にはパンはありません。大きな壺に麦粉一握りと、小さな壺に油が少しあるだけです。……私たちはそれで何かを作り、それを食べたらあとは、死ぬだけです」最期の晩餐だという事でしょう。
エリヤは彼女に言います。
「恐れてはなりません。まず、いまあるもので、私の為にパンを作り持ってきて下さい。それから、あなたは自分と息子のために何かを作れます。――イスラエルの神は、大雨を降らせる日まで、あなたの麦粉の大きな壺も、油の小さな壺も空にはしません」列王第一17:10~14
ちょっとしたクレクレ詐欺でしょうか?いいえ、エリヤは信仰の人です。神様が約束した事は必ずそうなると信じています。
奇跡は起きました。麦粉壺も油壺も空にならないのです。消費しても補充されている奇跡です。
神様お願いです。うちの、米びつと、車のガソリンタンクがいつも満タンでありますように!
やもめを通して養われたエリヤは、やもめに感謝を表す機会が訪れました。
やもめのひとり息子が病気で亡くなった時です。エリヤは神様に祈り、息子を復活させる力を求めました。エリヤは息子を抱えます。
息子は生き返ります。狂喜乱舞する母親に、息子を渡すエリヤ。復活の奇跡を見た母親はエリヤに言います。
「私は今、本当に分かりました。あなたは確かに神に仕える人で、あなたが語る神の言葉は真実です」
やもめは、異国民のバアル崇拝者です。しかし、エリヤこそ、生きる神の預言者だと確信しました。
この女性の名前は聖書に書かれていません。しかし、神様がこの女性の信仰を高く評価したことは事実ですね。エリヤも嬉しかったでしょう。
3年経ちました。神様はエリヤにアハブ王の所に行くよう命じました。大地に雨を降らせる時が来たようです。
エリヤがんばれー!
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