第82話 ヨセフ ファラオの夢
献酌人が牢獄を出てから丸2年が経つ。朝起きる度に、ヨセフは自分の囚人の身を呪った事でしょう。神は私をお忘れですかと涙のうちに祈ったでしょう。かわいそうなヨセフ。
そんな頃です。イスラエルの神はファラオに夢を見させます。神様、おそっ。もうヨセフは30才ですよ!20代を奴隷&囚人として生きてきたんです。ヨセフを解放する夢を見させて下さい。
ファラオはこんな夢を見ました。
「ナイル川から肉付きのいい美しい7頭の雌牛が上がってきて、川のそばで草を食べた。その後、痩せ細った7頭の醜い雌牛が、その美しい雌牛を食いつくしていった」創世記41:2~3
共食いですか?ホラーですか?
「ファラオは目が覚めた。再び眠り別の夢を見た。穀物の1本の茎から、実の詰まった立派な穂が7つ出ていた。その後、東からの熱風で干からびた細い穂が7つ出てきた。それから細い穂が、実の詰まった穂を飲み込んでいった」41:5~6
嫌な夢ですね。ファラオは胸騒ぎで起きます。
エジプト中の魔術師が呼ばれます。夢を解き明かせとファラオが叫ぶ。誰も解き明かせません。
献酌人の長、ここでやっとヨセフを思い出しました。ファラオに速攻報告し、ファラオはヨセフを呼ぶように指示します。
エジプト人はみんなツルピカはげまる。ファラオの前に出ると知って、ヨセフも毛を剃ります。イケメンヨセフのツルツル頭も素敵だろうな。
ヨセフはファラオの前で夢を解き明かします。
「ファラオがご覧になった夢はどちらも同じ意味があります。真の神が、行おうとしている事をファラオにお告げになったのです。7頭の立派な雌牛は7年の事です。7つの立派な穂も7年の事です。2つの夢には同じ意味があります。痩せこけた醜い雌牛、また干からびた細い穂は飢饉の事です。これから7年の間、エジプト中で大豊作になります。しかし、その後の7年は必ず大飢饉になります。――それで今すぐ、思慮深くて賢い人をお探しになり、その人にエジプト全土を管理させるのがよいかと思います。ぜひとも監督達を任命し、7年の豊作の間、エジプトの収穫量の5分の1を集めさせて下さい。豊作の間、穀物を備蓄すれば、飢饉の間、食糧を供給でき、国は滅びる事はないでしょう」41:25~36
ヨセフは夢を解き明かし、良い計画を提案しました。神様からのお告げだと信じています。ファラオを怖れる事なくドヤッとビシッと言います。
「神の力の働いているこのような人が他にいるだろうか」ファラオはヨセフに神の力が働いている事を認めて、ヨセフをエジプト全土の管理官に任命しました。
「私の民は皆、あなたに服従することになる。王である私だけが、あなたの上に立つ」41:38~41
ファラオは自分の指から認印指輪を外し、ヨセフの指にはめました。そして上等の亜麻布の服を着せて、金の首飾りを掛けます。エジプトのファラオの格好そのものです。ヨセフ素敵!
さらに、ファラオはヨセフを、自分の持つ2番目に良い兵車に乗せ、「ファラオは私だが、あなたの認可なしでは、エジプト全土の誰であれ、何一つ行えない!」と宣言しました。アブレーク、ヨセフ!
そして、ザフナテ・パネアというエジプト名を与え、祭司ポティフェラの娘アセナトと結婚させます。アセナト、羨ましいんですけど。
ヨセフは朝囚人として目が覚め、王に継ぐ第二位の立場で眠りに就いたのです。ブラボー。
こちらもまた、シンデレラストーリーですね。
牢獄の2年を忍耐したヨセフ、本当にお疲れ様でした。私も真面目に頑張ります。
さあ、エジプト全土の管理官ヨセフ、あなたにはある出来事が待っています。あのヨセフを売った兄達との再会です。どうなる?
ヨセフがんばれー!
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