第73話 エステル ハマン悪い兆し
「王の眠りは消失した」6:1その夜中の出来事です。アハシュエロス王は家来を呼び寄せ、国の公文書を読ませます。
そこにはアハシュエロス王の暗殺陰謀記録もありました。陰謀者は処刑されました。モルデカイがその陰謀を知らせたのです。
「モルデカイにはどんな栄誉と褒美があったか?」と王は家来に尋ねます。
「モルデカイには何も与えられてはいません」
家来の返答にアハシュエロス王は自分の手抜かりに動揺します。すぐにモルデカイに褒美をとらせるため動ける高官を探します。
ちょうど夜が明ける頃、王は気分転換に中庭に向かうと、ハマンがいました。
ハマンも眠れなくて、早朝お城の中庭に来ていたのです。一刻も早くモルデカイの処刑許可を得たかったのでしょう。
ハマンが口を開く前に、王がこう尋ねます。
「王の好意を得た人に栄誉を与えるにはどうするのが一番良いか?」6:6
ハマンはその栄誉が与えられる者を自分の事だと思い込んでこう提案します。おめでたい!
「王が栄誉を与えたい人に、王の衣服を着せ、王の馬に乗せてシュシャンの中を行進させます。そして皆に聞こえるようにその人を称賛させるのです」6:7
もう一度言います、ハマンは自分の事だと思い込んでいます。自分の願望を図々しく言います。
「急いで、あなたが言った通りに、その衣服と馬を取り、王の門に座っているユダヤ人モルデカイにそのようにしなさい。あなたが話したすべてのことのうち、一言でも果たされないままにされることがないように」6:10
……。(゜ロ゜; なっ、なっ、なんですとー⁉
ハマン開いた口が塞がらず、ワナワナ震えた事でしょう。少しだけかわいそうです。嘘です。
ハマンは自分が提案した通り、王の衣服をモルデカイに着せ、馬に乗せてシュシャンの都の公共広場でモルデカイを称賛しました。
モルデカイ、どんな気持ちだったのでしょう。(私ならうけるんですけどって手を叩く)
ハマンはシュシャン城にモルデカイを送り、嘆きながら家に帰りました。
そして、自分の身に降りかかった事を妻と友人に泣きながら話しました。
めんどくさっ。キレたり泣いたりめんどくさい夫ですわ。妻と友人は慰めるどころか、不吉な事を言います。
「あなたがその前に倒れ始めたモルデカイが、もしユダヤ人の胤の者でしたら、あなたは彼に勝てず、かえって彼の前にきっと倒れるでしょう」
傷口に塩。泣きっ面に蜂。ハマンは落ち込む暇もなく、王の家来に連れて行かれます。
そうです!今夜もエステルに招かれている宴会があるのです。
気分あげてこー。ファイト。
ハマン、不吉な言葉を忘れられるでしょうか?
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