第70話 エステル ハマンの策略
モルデカイは宮殿の役人として、おもに門番をしていました。とても重要な任務です。王を暗殺しようと企む男を捕まえた事もあります。
そんな頃、アハシュエロス王はハマンという男を顧問官たちの長、首相に任命しました。
王に継ぐ第二位の地位です。王はこのハマンの前では誰もが身をかがめるようにという命令を出します。
モルデカイはどうするでしょうか?
なぜなら、ハマンはアマレク人です。預言者サムエルの時代にアマレク人の王アガグは、イスラエルの民をひどく扱いました。神様は激怒でアガグ王を処罰。サムエルが処刑しました。
ハマンはそのアガグ王の子孫です。モルデカイは神の民の敵対者の民族に頭など下げません。
たとえ王様の命令であっても、神様のおきてに従います。人間崇拝になるからです。
門番の仲間はヒヤヒヤしました。モルデカイがユダヤ人であることを知っていたのです。あえて口にはしませんでしたが、この件ばかりは黙って見ていられませんでした。
「モルデカイが身をかがめようとも、ひれ伏そうともしないのを見てハマンは激しい怒りを抱いた」エステル3:5
ハマンに彼はユダヤ人であることを密告した者がいます。悪い動機でしょう。
「ハマンはモルデカイだけを殺害するのでは十分でないと感じた。モルデカイの民族を全滅させる」エステル3:6~ と決意したのです。
ハマンにとってもユダヤ人は敵なのです。
ハマンはアハシュエロス王に近づき、ペルシャの法律に従っていない民族をほっておくのは王の為にならないと言葉巧みに訴えます。
アハシュエロス王はハマンの策略にのり、ユダヤ人根絶の命令書を出し、王の認印指輪をハマンに渡します。
自分に頭を下げないモルデカイ憎しで、ユダヤ人皆殺しの命令を王に書かせるハマン。自己愛パーソですか?
アハシュエロス王は自分の妻がユダヤ人だと知りません。きっとモルデカイについても知らないでしょう。
ペルシャの管轄地域と遠くエルサレムまでこのユダヤ人根絶のおふれが回りました。
ハマンはその日をくじで決めました。アダルの月、第12の月の13日です。あと、数ヵ月です。
モルデカイはどう行動するでしょうか?エステルはモルデカイの指示に従うでしょうか?
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