第69話 エステル 王妃になる

 シュシャンの城では大宴会が続いています。

 軍人も貴族も高官もアハシュエロス王を囲んでどんちゃん騒ぎです。豪華な食事と美味しいお酒が振る舞われ、みんなべろべろです。


 別の場所では王妃ワシテが女子会してます。このワシテは超美人で有名でした。


 7日目に、王は妻を自慢したくなって宴会会場に呼びつけます。気位いの高いワシテは、酔っ払いの前に出たくないと拒み続けるのです。


 アハシュエロス王は激怒します。自分の顔に泥を塗ったと大騒ぎして、ワシテをどうするか顧問官に尋ねました。


 そんな王妃はこの国の恥だと宮殿追放の案を述べます。そしてこう提案しました。

「王の為に美しい処女たちを探すのが良いかと思います。シュシャン城の女の家に集め、世話係のヘガイの元で一年間美容の為のマッサージを施すのです。そして王の目に喜ばしく思える娘を、ワシテの代わりに王妃とするのです!」2:1~4


 いわゆる美人コンテストを開き、一年間磨いた後、王が自分の気に入る娘を選べという事です。


 王様だからできること。お妃様選びの規準はやはり容姿端麗なのですね。


 早速、王の僕たちは国中の美人をシュシャン城に集めまくります。王妃候補ですから、親は喜んで自分の娘を差し出したでしょう。


 モルデカイとエステルの住む貧しい地区にも僕が来ました。

「姿もきれいで、容貌も美しかった」2:7エステルも宮殿に連れていかれました。モルデカイは阻止しますが、無理でした。異国人に拒否する権限はありません。エステルにユダヤ人である事を隠すよう忠告して、なくなく送り出しました。


 宮殿の中に女の家がありました。そこは王の妻や愛人が住む場所です。エステルはきっと今まで見た事のない宝石で出来た部屋に驚いた事でしょう。大理石の床や、金の飾りの付いた壁。自分が育ったモルデカイの家とは大違いです。


 美容マッサージもされました。香油を塗られ、アクセサリーも与えられます。

 国中から集められた処女たちは、自分が一番になろうと必死に身を飾ります。贅沢に育っていないエステルは、そうしたものに目もむけません。


 世話係のヘガイに与えられた物だけで満足し、それ以上身に着けることはしませんでした。


 虚栄心、競争心を募らせた他の娘から離れ、一年間、慎み深く過ごしました。


 その姿がヘガイの目にとまり、エステルは召し使い7人を与えられ、一番いい部屋に住まわせてもらいました。(ヘガイのタイプだったりして)


さあ、王の前に立つ日が来ました!結果は?


「王は他のどんな女たちよりもエステルを愛するようになった。王は王妃の頭飾りを彼女の頭におき、ワシテの代わりにエステルを王妃とした」2:17


あの孤児だったエステルがペルシャの王アハシュエロスの正妻となったのです。


 モルデカイは驚いたでしょう。シンデレラストーリーです。


 しかし、王妃になったエステルはモルデカイの忠告に従順を示し、ユダヤ民族との繋がりを秘密にします。


 この事はエステルとモルデカイに新たな試練となりました。エステルがんばれー!









 

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