第62話 ダニエル 北の王と南の王 11:1~5
さあ、やっと北の王と南の王に入ります。この夢と幻はダニエルに与えられた最後の預言だろうと思われます。
「私はメディア人ダリウスの元年に……立ち上がった」11:1 とあるからです。この私とはダニエルに現れた天使です。ダニエルはご高齢です。2世紀も後に起きる出来事を書き留めるのは大変なことです。意味も分からず質問も出来ずに……私には無理です。「もう一度、もう一度……モアスローリー」の繰り返しでしょう。神様が会社組織のトップなら……ブラック企業です。
「私が話す事は真実である。なお3人の王がペルシャに起こり、4人目の王は他の誰よりもはるかに富む者となる。この者がその富によって強力になったとき、すべてのものを扇動してギリシャの国に立ち向かわせる」11:2
ダニエルの生存中、ペルシャの王はキュロスでしたね。その後の王は、カンビュセス、スメルディス、ダリヨス・ヒュスタスパスという舌を噛みそうな名前の人が王になりました。
4人目の王は?エステル記でお馴染みのアハシュエロスです。ペルシャの中で最も富み、強い王様です。彼は意気揚々とギリシャに遠征に行きました。その中のひとつが、スパルタとの戦いです。――ギリシャにも変化がありました。
「一人の勇敢な王が起こり、大きな権力をもって治め、思いのままにふるまう。しかし、彼が起こった時、その国は敗れ、天の四方に向けて分割される。それは彼の子孫のものにならず、また彼が支配したほどの権力もなく、彼の国は根こぎにされて、その子孫以外のものとなる」11:3~4
さあ、誰の事でしょう?ギリシャの王、アレキサンダー大王です!征服しまくりましたね。若くして亡くなり、4人の将軍に領土が分割されました。覚えておられますか?しかし、その4人の将軍たちは、アレキサンダー大王ほどの力はありませんでした。残念。
アレキサンダー大王には幼い子供達がいたのですが、殺されたので……子孫のものになりませんでした。(アレキサンダー大王の遺伝子とっときなさいよ!憤慨)
「彼に仕えていた将軍の一人だった南の王が強くなる。しかし、別の将軍の一人が彼よりも強くなり、彼の権力よりも大きな権力をもって治める」
11:5
初めてキター、この言葉。南の王です。心待ちにしておりました。まず南とは何をもって南なんでしょ?北とは?
正解はダニエルの住む地から見て南と北というわけです。
南の王はエジプトのヘレニズム国家、プトレマイオス朝初代ファラオ、プトレマイオス一世です。では彼より強くなった者は?オリエント地方を統治していたセレウコス一世(ニカトル)です。
つまりは北の王です。そのセレウコスはプトレマイオスよりも広い領土を支配しました。
北の王と南の王の戦いの火蓋が切られました。
この戦いの預言はダニエル11:45まであります。
少しずつ紐解いてお伝えします。
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