第61話 ダニエル 70週の預言

「あなたの民とあなたの聖なる都市に関して定められた70週がある。これは違犯を終結させ、罪を終わらせ、とがの購いをし、定めのない時に至るまで義を携え入り、幻と預言者に油を注ぐためである。――エルサレムを修復して建て直せという言葉が発せられてから、指導者であるメシアまでに7週、そして62週があるであろう」9:24~25


 天使ガブリエルがダニエルに伝えた預言です。


 一言で言うと、イエス・キリストが油を注がれ救い主になる年はいつか?という預言です。


 メシアまで7週と62週とガブリエルは教えてくれました。 7+62=69 ですね。69週です。

 一週は7日あります。(聖書では、一日を一年とします) なので……69週は……7×69=483 つまり483年です。


 では起点はいつでしょうか?「エルサレムを修復して建て直せ」という言葉が鍵となります。


 西暦前445年、ペルシャの王、アルタクセルクセス(アルタシャス)王がその言葉を発しました。

 ✳注 457年説、455年説もあります。


 BC445から483年経過すると、AD26年です。

 

 イエス・キリストは紀元前2~4年に生まれ。

 いずれにしておよそ30才でヨルダン川で、バプテストヨハネに水に浸されました。

 

 これによって油を注がれ、メシア誕生です。


 この後のガブリエルの言葉を聞いて下さい。

「そして、その62週の後にメシアは断たれる。また彼は多くの者の為に一週の間、契約の効力を保たねばならない。そして週の半ばに彼は犠牲と供え物を絶えさせる」ダニエル9:26~27


週の半ばとは、7年の半分です。イエス・キリストは油を注がれてから、3年半で処刑されました。つまり、断たれたのです。


 もちろん、イエスは地上に来る前に、ミカエルとしてこの預言を知っていたでしょう。

 購い主として、33才で死ぬ事を承知していました。

 イエスはイスラエルの罪の為に死ぬ目的で、地上に遣わされたからです。


 ダニエルはメシア到来に希望を持った事でしょう。生来のイスラエル人は神の民なのですから。


 私たち、現代人、また日本人には関係ないと思われたそこのあなた、はい、私の事ですか?


 契約の効力を保たねばならない!とありましたね。この契約は生来のイスラエル人以外、異国の民にも適用されるということです。


 イエスの死後、初めて非ユダヤ人、ローマ軍の百人隊長コルネリオがぺテロから洗礼を受け、クリスチャンになりました。その日以降、イエス・キリストに信仰を持つならば、人種に関わらず、クリスチャンになる事が出来るのです。アブラハム、ダビデ、ダニエルと同じ神様を崇拝してもいいのです。やったぁ! 

 ✳注 イエス・キリストを神様とするクリスチャンが大多数です。三位一体ですね。


 ガブリエルの言葉を続けましょう。

「嫌悪すべきものが……荒廃をもたらすでしょう」ダニエル9:27


この預言は、西暦前168年、アンティオコス4世(エピファネス)が、エルサレムの神殿を汚した事で第一の成就を見ました。ゼウスを神として、祭壇に豚を犠牲として捧げたのです。豚に謝れ‼


 そして西暦70年、嫌悪すべきローマ軍がエルサレムを陥落させ2度目の成就をみます。


 3度目はあるのでしょうか?

 荒廃をもたらす嫌悪すべき者の正体は?……これは次回の北の王と南の王の預言から分かるのでしょうか? お楽しみに!

 


 


 

 

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