第59話 ダニエル 雄羊と雄ヤギの幻

 ダニエル8章もダニエルが見た幻について書かれています。解き明かしたのは誰だと思います?あの聖母マリアに現れた天使ガブリエルです。

 

 時はベルシャサル王の治世第3年、ダニエルはエラムのシュシャン城にいて、ウライのそばで幻を見ました。

 その幻は、一匹の雄羊の登場で始まります。その後、雄ヤギが現れそれと闘います。


 雄羊には2本の長い角があり、一方の方が他方より長く、後から伸びたものでした。

 もう、これで何となくお分かりですね?ガブリエルがダニエルに現れて解き明かします。


「あなたが見た2本の角がある雄羊はメディアとペルシャの王を表しています」ダニエル8:20

 ネブカドネザルの像の銀の部分であり、獣の幻の熊と同じです。始めはアスチュアデス王のメディア王国の方が力がありました。後に娘マンダネの子供、キュロスがペルシャ人と結婚してペルシャ帝国を盛り上げます。キュロス?聞いたことありませんか?あのバビロニア帝国を攻めとった王様です。


 では、2本の角がある雄羊はどうなるのでしょう?雄ヤギが来ます。ここは牧場ではありません。草をのんびり食べられる穏やかな牧場ではないのです。


「さらに見ていると、一匹の雄ヤギが西からやって来た。地表に触れることなく、地上全体を横切ってやって来た。目の間に一本の際立った角があった」ダニエル8:5

しかも雄ヤギは、雄羊に猛烈な怒りを抱いて走って来るのです。敵意に満ちて雄羊の角を折り、地面に投げ倒して踏みつけるのです。恐い。


 では、その雄ヤギは何を表すのでしょう。像の銅の部分であり、獣の幻の翼があるヒョウです。


 ここもガブリエルが教えてくれます。

「毛深い雄ヤギはギリシャの王を表しています」

 正解はギリシャです。メディアペルシャの西から、アレクサンドロス大王が飛ぶようにやって来ました。アレキサンダー大王とも呼ばれる若き王は、一気にほとんどの国を制圧しました。

 しかし、ダニエルは目の間にあった大きな一本の角が折れ、代わりに4本の角が生えてきて伸びたところもみています。ダニエル8:8


その解き明かしは、こうです。一本の角であるアレキサンダー大王が32才で亡くなると、その領土は四人の将軍に後継されます。


「そして、4本の角のうちの一本から、また別の小さな角が生えて、それは非常に強大になっていき、南と東と、美しい地に力を及ぼした」8:9


カッサンドロス将軍が治めたヘレニズム王国が強大になっていき、つまりこの王国を占領したローマ帝国と、時代は進んで英米世界強国が美しい地を汚します。

 

 美しい地を汚すとは?聖書の神様から見て神聖な場所とは何処でしょうか?メシアとして誕生したイエス・キリストの生地であると共に、キリストを辱しめる行為の事です。大きな意味で、キリスト教を侮る反キリストも含まれます。



 この後、私、星都はダニエルに手紙を書きました。

 

 親愛なるダニエル様。

 いつもお世話になります。今回も幻を見たとのことでお疲れ様でした。幻は末の日、遠い将来に関するものだから、秘密にするようにガブリエルに言われましたね。


 体調を壊したと聞きました。疲れ果てたとも記録していましたが、大丈夫ですか?


 聞けばもう70才近いとの事。悪夢ではなく、幻ですから、神様のお告げです。忘れたじゃ済まされない中の、ダニエル8書の執筆、骨が折れましたね。けど、ガブリエルに会うとは特権ですね。


 ミカエルの次に高位な天使ですもの。あっそういえば、他の天使に強められたそうですね。


 また、そのお話聞かせて下さい。

     

        上から目線の星都ハナスより



 ダニエルからお返事来たら、またお伝えします。

 

  

 

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