第40話 ヒゼキヤ プロパガンダ

 ヤハツィェルの生死を気にかけながらヒゼキヤは、軍隊の長と民を励ます。

「勇気を出し、強くあれ。アッシリア王のゆえに、また彼と共にいるすべての群衆のために恐れてはならない!怯えてはならない。私たちと共にいる者は、彼と共にいる者よりも多いからである。彼と共にいる者は、肉の腕であるが、私たちと共にいるのは、私たちを助け、私たちの戦いを戦って下さる、私たちの神である」歴代誌第二32:1~8

イスラエルの神に信仰を持ち、勝利の確信を表明するヒゼキヤ。王様はこうでなきゃ。


「アッシリアが裏切りました……もうそこまで来ています」ヤハツィェルがボロボロになってヒゼキヤの元に帰ってきた。ラキシュで拷問を受けたのね。お疲れ様。怖かったね。休んでね。ヤハツィェルはセナケリブの降伏するようにとの言葉を伝える。エルサレム征服を自分の戦勝記念としたいセナケリブ王。しつこい。3人の男たちを送り込んできた。お前が来い。

 この男たちの名は司令官タルタン、廷臣の長ラブサリス、そしてラブシャケ。鮭のおにぎり好きです!みたいなラブシャケは名前ではなく将軍という称号。で、この人は所謂、インテリヤクザだ。

 ヒゼキヤは記録官ヨアハとエリヤキムに「あざけりの言葉に何も答えてはならない」と釘をさし、その男たちの元に行かせた。


 ラブシャケはヘブライ語がぺらぺら。近くで聞いているであろう、イスラエルの戦士に言葉巧みに話す。まずは、ヒゼキヤ王は弱いエジプトに頼っているが、ほとんど孤立無援だと嘘をつく。エジプトに頼ってません!嘘つき。

 次に、ヒゼキヤはイスラエルの神にも頼っているが、高き所と祭壇を取り除いてしまったので、神は立腹してお前たちの為には戦わないと疑念を植え付ける。高き所を取り除いたのは、本当。でも異教の神、偶像崇拝をやめるためにうち壊した真実を知らない。半分真実を絡めるあたりがいやらしい。そしてアッシリアに降伏するなら、快適な暮らしを約束すると誘惑する。嘘をつき、事実を曲げ誘惑。この政治的意図を持つ宣伝工作はいつの世もある。

 

 ヒゼキヤの大切な民はどうする?――ヨアハはヒゼキヤの命令通り、何も答えず記録するだけの職務を全うした。そして……誰もヒゼキヤを裏切らず、ヒゼキヤに対して忠誠を誓う。やっぱりね、無酵母パンの成果です。ヒゼキヤの熱心さが、いや、人柄の良さが民の信頼を勝ち得たのです。素晴らしい!ブラボー。側近たちも裏切らないってどんだけぇーとなる。

 優しさと勇気を持ち、人の意見を進んで聞く謙虚さが、ヒゼキヤの魅力です。大好きなダビデと重なる私、乙女です。52才ですが、何か?


「男は外に出れば7人の敵がいる」という。リゲ○ン飲んで24時間闘えません。なら、味方にしちゃえばいいんじゃない?どうやって?ヒゼキヤが民に愛されたのは民を愛したからです。

 人を好きになることです。愛することです。

 敵がいる方が燃える人もいるので……お好きな生き方でどうぞ。無責任。

 

 3人の男たちは撤退。インテリ君、ご苦労様でした。親分セナケリブに怒られないといいね。しかしすぐにその親分から手紙が届く。

 ヒゼキヤがんばれー!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る