第27話 12預言書
ソロモンの背教の結果、十二部族は北のイスラエルと南のユダ王国に分けられた。
ソロモンの治世中は平和だったのに、ヤラベアム、ヤラベアム二世は民に多くの税金を課して虐げる。私服を肥やす。暗殺ありの政情不安や、それに伴う社会の騒乱。いつの時代も同じですね。イスラエルの神様が一番キレたのは、宗教の退廃でした。
「犠牲ですか? そんなの関係ねぇ!」「公正ですか? そんなの関係ねぇ!」
贅沢最高だし暴力上等の世の中です。
そこで、「私を忘れるな! 言うこと聞かなきゃユダもエルサレムも滅ぼしますけどっ」と遣わされたのが、十二預言者です。
西暦前九から八世紀に第一団。ヨナ、ヨエル、アモス、ホセア、ミカ派遣。西暦前七世紀に第二グループのゼパニヤ、ナホム、ハバクク、オバデヤを派遣。そして最後のハガイ、ゼカリヤ、マラキを西暦前六から五世紀に派遣します。
長い期間です。十二人は神様から行けと言われた場所でそれぞれ、裁きの音信や救いの音信を語ります。
「神があなたに求めておられるのは、ただ公正を行い、親切を愛し、慎みをもってあなたの神と共に歩むことではないか!」ミカ6:6~8
「地の柔和な者達よ、神を求めよ。義を求め、柔和を求めよ」ゼパニヤ2:3
簡単に言うと、みんな今の生き方悔い改めて、イスラエルの神に立ち返り、真の崇拝に戻りましょう。そうしないと、裁きを下されちゃうよ! って事です。
十二預言書は十二人が自分で書いて、自分の名前をつけています。聖書の真ん中くらいにあります。一枚だけの人もいます。全員男子ですが、生まれた場所も職業も様々です。農民やユダの神殿の音楽家、季節労働者もいました。
全てがエリートではなく、逃げちゃう人もいました。ヨナです。流血の都市ニネベで裁きの音信を伝えるなんて怖いよね? 反対方向に逃げまくり、船に乗ったら嵐でドボンと海に落とされて、魚に呑み込まれて神様にごめんなさいしたら、陸に吐き出されました。
預言者だって人間です。その人そのものの特質を全てご存じで任務を与える神様は容赦しません。やり遂げるという可能性や、本質を本人より知っておられるのでしょう。ホセアは何度も神を裏切るイスラエル国民に実生活を通して音信を伝えます。姦淫を繰り返す妻を許し、迎え入れるように神様に命令されました。神様が社長ならパワハラ? です。
すごいのは、ヨナは魚にペェッされて謙遜になり、勇気を持って裁きの音信伝えにニネベに行きました。ヨナも人間です。ニネベが滅ぼされる日、ワクワクしてたら滅ぼされないので、怒る。怒ったら神様に諭される。ニネベの人達が悔い改めたからでした。チャンチャン。
あんなに預言者達頑張ったのに、結局、エルサレムもユダも裁きを下されました。バビロニア人に攻略させる事にした神様ってドンだけぇ。
しかし、十二預言書はもう一度、成就目的がありました。西暦七十年のエルサレムの滅びです。
ローマ軍によって滅ばされる事になるという悲しい預言。
「メシアが到来する。このメシアは罪と死から人類を自由にする。メシアを待ち望め」
メシアを見つけて、信仰を働かせるならその滅びから救われるというものでした。
このメシアがイエスキリストです。神から遣わされるのです。
イエスキリストに関しての預言は旧約聖書にたくさんあると以前触れました。十二預言書はもっと具体的です。ベツレヘムで生まれること、銀貨三十枚で売られる事、ロバに乗って王として迎え入れられる事、エジプトから連れ戻される事などです! 全てその通りになりました。
そして三度目の成就は有名なハルマゲドンです! だから現在進行中の「イエスに信仰を!」という宗教もあるのです。
今度は全世界巻き込み型です。イスラエルの神様って怖すぎる。
聖書は歴史の書物? 預言の書物? 物語?
神様を信じるか信じないかで違います。三位一体を信じるかそうでないかでまた違います。お好きな考え方でどうぞ。
何はともあれ、マイナーイメージの十二預言書は実は一番面白いかもしれない。文体が独特でインパクトが強い…… 一人一人の個性が豊かです。(私は忠実なホセアのファンです。)
次は十二使徒、イエスの弟子のぺテロの魅力をお伝えしますね。
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