ぺテロに恋して

第28話 ぺテロ イエスの弟子になる

 ぺテロはガリラヤの海の北岸の都市、カペルナウムに住み、漁業を営んでいました。自分の兄弟アンデレと奥さん、奥さんの母親と一緒に暮らしていました。

 アンデレも漁師です。海の男です。サブちゃんのように「うーみ~のかみぃ~今年もほんとにありがとう!」と歌いません。あくまでもイスラエルの神様を崇拝し、メシアを探し求め、バプテストのヨハネの弟子として信仰を示します。ある日、そのヨハネがナザレ人イエスを指差し、「見なさい、神の子羊です」と言うのを聞きます。

 アンデレはすぐにイエスの事をぺテロに伝えました。ぺテロもイエスをメシアだと信じてすぐに伝道旅行にお供します。

 この時、ぺテロはイエスから「ケファ」と別名を与えられます。人間の特質や可能性を見通せるのは神様だけではないのです。イエスはぺテロが、弟子の中で岩のような強い安定した存在になると予見して付けました。(その特質を表すのはかなり後の事ですが……)

 

 ぺテロは伝道旅行先のカナで、初めてイエスの奇跡を見ました。水をぶどう酒に変えるという奇跡です。ぺテロはイエスが神の子であると確信出来たでしょう。

 しかし、生活があります。漁師に戻って家族を食べさせなければいけません。ゼベダイの子のヤコブとヨハネと一緒に働いていました。

 この二人もイエスの弟子です。四人はイエスの話を聞いたり、たまに伝道旅行に行こうと思っていたかもしれません。信仰があっても、生活があるのです。(たまに教会に通うクリスチャンと宣教師の違いでしょう。)


漁業はとにかく忙しい。捕った魚を売らなくてはいけません。網を洗い、破れを繕い、一日中働きました。働き者です。

 イエスの弟子というと偏差値高そうなひ弱なイメージがありますが、真っ黒いキン肉マンのおっさん集団なのです。イエスも大工だったので、力コブすごいと思います。

 

 数ヵ月後、イエスはこの四人を探します。自分と同じ宣教の仕事をするように訓練したいのです。会堂にいる律法に通じた高学歴の優等生を弟子にせず、「普通の無学の」漁師を弟子にしようとするのです。

 

 キリスト教の原点はここにあると思います。 イエスは知識よりも愛ある者に、純粋な信仰を示し、神様を深く愛する者を弟子としたいのです。

 

 イエスは海辺にいた四人を見つけました。一晩中、漁をしても一匹の魚も捕れずにいた四人に奇跡を見せました。投じた網が魚で一杯になるようにしたのです。そして「これから人を生きながら捕るものにしてあげましょう」と弟子になるように招きました。


 ぺテロと3人はすぐにこの招きに応じて、イエスと共に宣教の業を行う者になりました。


 ぺテロはこれから失敗の連続です。この失敗から多くの事を学べます。面白い人です。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る