46億年前
約46億年前、地球が誕生した。
表面はマグマの海で覆われていた。
そこには、まだ、何も無かった。
悩みも、痛みも、苦しみも、憎しみも、妬みも、そして、孤独も……。
細菌、真核生物、多細胞生物、恐竜の時代を経て、人類も無から誕生し、私も無から生まれた。
時間は止まることなく流れている。
人類の歴史なんて、アウストラロピテクスから数えても、せいぜい数十万年から数百万年だ。
歴史の教科書に載っているのは、せいぜい一万年だ。
地球の歴史に比べれば、私なんか、ほんの一瞬のきっかけにすぎない。
今までの歴史の流れを考えると、一億年後には人類以外の、何か得体の知れないバケモノが地球を支配しているのだろう。
私という存在は一瞬で消えていく。
一瞬で終わってしまうからこそ、こんな人生が悔しいんだ。
私の心は、今、46憶年前にいる。
マグマの海にポツンと突き出た岩山に座って、辺りを眺めている。
この地球で独り……。
何十億年前に居ても、何億年前に居ても、私の居場所は変わらない。
何もできずに終わってしまった1回きりの人生……。
私が今、どんな思いでマグマの海を眺めているか……、誰にわかるだろう……。
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