その笑顔に惚れました!好きです! いいえ、営業スマイルです。

客商売にとって笑顔は必須だという事は知っての通りなんだけど、残念ながら最近の店員・・・特に高校生は不愛想になりがちだ。

きっと、仕事意識よりも『気恥ずかしさ』と言う感情面が勝っているんだと思う。

思春期反抗期で周りの助言すら喧しく姦しく感じてしまう、一種の病気とも取れるその一時期の『過ち』は、過去にならなければ間違っている事にすら気付かない、大変愚かな瞬間。


まあ、だからなんだろうけれど、一見高校生の俺がこんなにも自然な笑顔を浮かべている事が、不思議でたまらないのだろう。


しかし言いたい。

俺はただ仕事に取り組んでいるだけだと。

だってマニュアルとか先輩とか社員の方とかから聞くじゃん。

笑顔大事だよってさ。

俺は遊びに来ている訳じゃ無くて、お金を貰うために労働という対価を支払いに来ている訳なんだから、適当なんて許されていい訳が無い。

最近の高校生はそこをきっと理解してない。



「ねえ店員さん、名前教えてよ」

「八王子です」

「いい名前だね!」

「あはは、恐縮です」

「私たちって同い年くらいだよね?」

「どう・・・でしょうか。すみません、存じ上げないです」

「彼女とかいるの?居ないよねっ?」

「申し訳ございません、只今仕事中ですので」

「いないんだ!やっぱり!」

「べ、別に・・・」

「あ、これ忘れてた!はい、これください!」

「・・・お預かりします。こちら一点で980円です」

「はーい」

「1000円お預かりします。こちらレシートと、20円のお返しです。ありがとうございました」

「ねえねえ店員さん」

「どうしましたか?」

「ふへへ、なんでもなーい」

「あ・・・はは・・・」

「店員さん」

「はい」

「えへへ」

「あはは・・・」

「店員さん」

「・・・なんでしょう」


「すき」


「・・・ありがとうございました。お出口はあちらですよお客様」

「店員さん、仕事終わるの待ってるね!」

「・・・ありがとうございましたー」



高校生は理解してない。

仕事と普段の区別がきっとついてない。

だから間違うんだと思う。


「あ、店員さーん!待ってたよ!」


「・・・本当に待ってたんですね」


「うん!とりあえず聞いて欲しいんだけどさ!」


「・・・どうしました?」


「その笑顔に惚れました!好きです!」


「・・・はい」


「だからお付き合いしましょう!」


「あの」


「お付き合いしましょう!」


「営業スマイルです」


こんな勘違いをするんだと思う。




・ざっと入りの流れを一通り書いてみました。

・※連載予定です。


・多分この6倍くらいのボリュームで起承転結の起の部分になると思います。

・現在連載中の作品達も書かないといけない(最近さぼり気味なのは否めない)ので、順を追ってになるのかな?

・そして今、他のプロジェクトも進行中ですので、乞うご期待。




†    †    †    †


???「同情するよ。でも悪い。これは戦争なんだ。和解なんてあり得ない。言葉を投げ捨てた論議の果てに起きてしまった、人間の果てなんだよ。それが戦争っていうこの現状なんだよ」


彼は悲壮に綴り、過去を思う。

既に靄がかかる記憶を思い、想いに蓋をする。


彼はやがて穏やかに目を細め、


???「またな」


引き金を引いた。




その空虚な後ろ姿は。

寂しげに撫で下ろされたその肩は。




小さく不規則に震えていた。

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プロット会議(連載に昇格する作品あるかも) 渡良瀬りお @wataraserio

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