進んでいこう
僕はしばしば献血に行く。
献血に行く理由となったのは母の言葉だった。
「アンタはもともと喘息だったのに体も丈夫になって、
元気なうちに社会に恩を返しておきなさい。」
そこで勧められたのが献血だった。
喘息時代が長かったこともあり点滴などの痛みには強い。
先日献血に久しぶりに行ったときのことだった。
いつも待っている待合室みたいなところに
見慣れないファイルがあった。
開いてみると、それは直筆の手紙のコピーだった。
ざっと目を通すとこんなことが書いてあった。
「私の母は今年で72歳のおばあちゃんです。
○○と言う病気で手術が必要になりましたが、
体力的にも大変な手術で出血量が一定量を越えてしまいました。
そこで輸血をしたところ体力も戻り、今ではしっかり散歩もできるようになっています。
献血していただいた方皆様に感謝の気持ちを述べたくこの手紙を書きました。
ありがとうございました。」
と、本当はもっと長かったが要約するとこんな感じだ。
この手紙を読んだ後で僕は救われた気持ちになった。
いままで僕がやってきたことは間違いじゃないと、
胸を張って僕は良いことをしていると言える。
正直な話いままで僕の周りの人は
「献血とかドMじゃん」
「何が楽しいの?」
などいろいろなことを言われたこともあった。
しかし、僕がこの世で救ってもらった命を
他の人を救えてることを初めて実感した。
この手紙は読んでよかったし、僕自身も感謝を述べたくなる手紙だった。
他の人に献血を勧める気はない。
しかし、今自分が正しいと思って進んでいることも
時には不安になるかもしれない。
「この先大丈夫かな?」「これであっているのか?」など
それでも
いつかふとしたところで結果や成果が待っているかもしれない。
そう信じて自分が敷いた道を走っていこう。
自分がそれを信じて進める限り。
福本翔太郎
福本翔太郎エッセイ集 福本翔太郎 @fukutaro111
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