第10話 兄弟

まず俺が一番最初に顧問候補に思いついたのは担任の澤部だ。まだ入学して間のないがやつは信用できる。そう考えた俺は職員室の澤部の元に向かった。事情を話したが先生は険しい表情をしている。

『すまない、気持ちはわかるが俺は今年から進路指導の方の仕事があるから部活の方もまでは手が回りそうにないんだ...』

まずい。俺にはほかにあてになる先生はいない!このままでは志田に負けてあと二人は...いやここで曲げたら男じゃない。考えろ考えろ。

『そんな顔しても無理なんだすまんな、』

そう言われたが俺はあることを思い出した。そうだ先生は男つまり...

『先生、考えてみてください。先生は部活動の顧問になるチャンスを今逃がそうとしてるんですよ?』

パソコンとにらめっこをしていた先生が不思議そうな顔をして俺を見た。

『小坂...なにか企んでるな?』

きた。先生が男の顔をした。あとはこっちのペースに

『先生は合唱部の顧問になる。つまり日程を決めれるんです。』

『それがどうしたんだ?』

『先生、気づいてくださいよ。先生は男。この学校の僕以外の生徒は女子ですよ?』

その時先生の頭になにかがよぎった。よしいける。最後の攻撃を俺は仕掛けた。

『つまり...。練習や大会だけでなく合宿。遠征。旅行の予定も先生が決めるんです。』

先生は俺と同じ目になった。

『小坂...お前なかなか悪だな。そんな誘い断る理由がないじゃないか』

『よく言いますよ、先生だって悪でしょ?』

先生は何故か泣きそうな顔をしながら俺に

『お前はこの学校では数少ない俺の理解者だ。先生なんて堅苦しい呼び方をするな。澤部でいいぞ友よ』

ここまで上手くはまるのか...まぁいいか。

『わかった澤部、俺たちはこの学校最強の二人だ』

硬い握手を交わし俺たちは職員室を出て購買に向かう。

『小坂、好きな飲み物はなんだ』

『コーラです』

『よし分かった』

そう言って澤部は自動販売機でコーラを2本買って俺に渡してきた。

『今日から俺たちは兄弟だ、よろしく頼むぜ弟よ』

『もちろんだ兄貴、合唱部に、いやこの学校に大旋風を巻き起こそうぜ』

そんな会話をしながら俺たちはコーラで盃を交わした。まわりの女子からの視線は冷たかったが俺たちには関係ない。なぜなら俺たちは今燃えて萌えてもえているのだから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

男女比1:599 黒羊 鈴 @kokuyorin6

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ