第9話 好敵手

『悪いけどまず俺は友達と3人で合唱部に入るって昨日約束してんだよ!』

『あ、そう、なら好都合じゃん』

しまった。合唱部と言う事を言ってしまった。

『じゃあ、次の休み時間その二人の所連れていってね』

なぜか志田に約束としてしまった。ごめん友香さん、音。しばらく会話をすると教室に戻る許可がおりてさっそく友香さんと音に報告した。以外にも二人は歓迎し、俺はさりげなく止めにかかった。

『で、でも志田は昨日スリッパ投げたりしてたじゃないですか!何が問題でも起こしたら...』

『あ、そう。なら私がまたスリッパをとればいいんでしょ?』

『そういう事じゃなくて...』

『お、ラッキーじゃあ小坂、これからは後ろに気をつけるんだな。てことでお二人さんよろしくー』

志田は二人に軽い挨拶をし、話題は5人目と顧問の話になった。すると音はあることを思い出した。

『昨日○○公園で歌ってた子は?あの子なら即戦力でしょ?』

『あー、確かにそれはいい考えだな。』

『賛成ですわ』

俺と友香さんも賛成した。すると志田がなぜか

『確認したいんだけど○○公園だよな?』

『そうだけどどうしたの?』

音が返事をした。

『もしかしてその人は放課後ブランコに乗って歌ってた?』

『何が言いたいんです?』

今度は友香さんが聞いた。するとなぜか志田は謝った。理由を聞くと俺たち3人は衝撃を受けた。

『ごめん、それ多分うちだわ』

どんな方程式に当てはめてもわからなかった。なんでこんな荒々しい女からあんな美しい声が。

『そんなに信じられないなら今歌ってやろうか?』

そういうと志田はそっと瞳を閉じ歌い始めた。そこにさっきまでの荒々しい女の姿はなく美しい声とまわりのクラスメイトの小声だけが聞こえていた。。

『な?言っただろ?』

と歌い終わった志田がいうと自然とクラス全体は拍手の嵐でいっぱいだった。なぜか黄色い声援まで聞こえてきて女子達は志田を囲んだ。

『志田ちゃんめちゃくちゃかっこいい!女の子なのにクールで...』

なぜだ。なぜ女の志田に俺は負けている...歌もモテ度も...

この日俺に近づいてくる女は昨日の3分の1に減った。もちろんその3分の2の女子は志田の所にいる。絶対に見返してやる...。そう誓った俺は音と友香さんに顧問の事は任せてくれと伝え教室を飛び出した。

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