210日目

「……ここは」


 光が消えると、目の前に現れたのは……大きな城だった。どうやら今の魔法陣はいわゆる転送魔法の魔法陣だったようだ。


「さて、行こうか」


 ホミアは意気揚々とそう言って歩き出す。周囲を見回すと、明らかに不気味な森のようだった。


「ここって……魔王の本拠地ですよね……」


 ルメラが不安そうにそう言う。俺だって信じられないが、どうにもそんな感じがするのである。


「おーい、着いてこないの? そこにいると、アンタ達じゃ絶対敵わないモンスターの餌になっちゃうけど?」


 ホミアが呼んでいる。確かに明らかにむき出しの敵意を感じる。


「……行こう、ルメラ」


 ここにいては不味い……俺達はホミアの後を追ったのだった。

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