すばる祭り
安良巻祐介
すばる祭りに参加しようと家を出たところ、もうすでに外は星空だった。
誰か少し早めに御輿を出したのだろうか。眩暈混じりに見上げた星の光には、一つ一つ眼があり、ぱちぱちとまばたきをしている。
あそこから見下ろしているのが誰かは知らないけれど、大騒ぎをして自分達を祭り上げるのをもしかしたら煩わしく思っているかもしれない。
星々が何を考えているかなんて僕たちにはわからない。千年以上のすばる祭りの歴史の中で、わかる人なんて一人もいなかったろう。
それでも僕たちは、祭りをせずにはいられなかった。
地べたの世界から遥かに離れ、浮き世を知らずただ其処に瞬くだけの、あの無数の美しいまなざしに恋い焦がれて。
すばる祭り 安良巻祐介 @aramaki88
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