アイワナビー
俺はあの日爆発した。
クソガキ以下のパンク少年が思いを寄せた人に対して叫んだ音楽はきっと、ベンジーを超えるくらい芸術で、イカれるくらいに叫んだあの声はクズ星達の心を揺さぶらせた。
僕以外のキッズやクソガキは、女と話したり、コミュニケーションだのしてるんだと思う。
何も分からないままガムシャラに殴りつけた思いを、「失敗した」「次にいけ」と何もしないまま満員電車に揺られ、新聞を見る男に言われた。
うるせぇ
知るか
俺はあの娘が好きなんだ。
スタンスパンクスは偉大だ、こんなクソガキ達の心を揺さぶり続けて20年間だぜ。
最近のガキ達はすぐに大人になっていって、思想もクソも無くなっていくけど、そんな時代にパンク歌って何人もの少年を奮い立たせた。
こんなクズ星が輝く夜はパンクを聴かなきゃ。
頭の中にある初期衝動なんか整理出来なくて、暴れ周りながら意味もなく反抗していく。
気に入らない奴なんてぶっ殺してやる。そう思いながらパンクを聴く。
夢の星に生まれたなら間に合うはずだぜ、モタモタしてると彼女は行っちまう。
邪魔する奴は全員殺せ、法なんか知らねぇ俺がルールだ。
夜の街を叫びながら走る。
頭の中を荒いギターが突き刺してぐちゃぐちゃにしていく。
論理も正論も何もかも俺にはいらない、この身一つと、この世に俺が存在している証拠さえあればそれで生きていける。
周りの人間は俺をキチガイ扱いするが、どうだろうか。
アイワナビー、何かになりてぇけど、何になりたいか分かんねぇよ。
だから叫ぶぜ、俺はここにいるから、だれか教えてくれ。
俺達は最弱で小さいけど、きっと無敵で最強のキッズだ。
だれか俺を殺してくれ、いらないなら銃で俺を撃ってくれ。
誰もいない廃車置場の片隅で、絶望と希望と愛と憎しみを叫ぶ。
あの娘はきっと俺を見てくれちゃいないけど、俺はあの娘に憧れて、革ジャンと古着屋で買った2000円のシドヴィシャスのTシャツを着る。
頭を金属バットで殴ったような衝動は未だに治まらなくて、それは多分芸術だ。
アイワナビー、真っ青な絶望と悲鳴を上げながら、俺はいつでもここにいる。
だから教えてくれ、俺が何になりたいか、俺はなんで生まれてきたのか。
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