夜が終わる NIGHT IS OVER

  そこから見える世界が全て憎悪に見えて、くたばるくらいに嫌に感じる

自分の目は灰色に染まって、やがて脳を灰色が支配する


 ずっと愛に焦がれいて、身近にある愛にすら気づかず

僕はいつしか人を羨み、愛し、憎むようになった

この世は見るのが嫌になる程、綺麗で、美しくて、素晴らしい物で


 それを全て、灰色に見てしまうのは自分のせいなのかも知れない

自意識と承認欲求が、心の中でひしめいてギシギシと俺の心は摩擦で擦れていく

鏡を見たくなくって、いつまでも、手を赤色で壊してく

寂れたカブに乗って、逃避行をする

あの古臭い音に乗りながら、深夜の高速を走る夢


 戻りたくなくって、旅がしたくって

ふいに何もかもを失いたくて、でも失いたくなくて

だから始めたモールス信号も、あいにく満員状態だった

星空が綺麗な山奥で、ルパンのように肉を貪る

いつまでもこのままでいたい

でも、いつかは家に戻らなくては


夜は終わる


悲しいピアノと、少しづつ記憶が薄れていく

もうすぐ、終わるんだなって

もうすぐしたら、世界は皮肉にも俺に怒鳴る

温かくて、切なくて、少し怒りを感じる

嫌だ、離れていたくない

それでも、いつかは始まるから

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