O-V-E-R-H-E-A-T

神という存在

神というのは不思議な物で、大多数の人間は神様はいると思ってる。

それは高度に発達した今の社会でも変わらない。

そして、キリスト教、ユダヤ教でも、イスラム教でも、神様が全ての事象を操っているという共通点がある。

なぜ神という思想は死なずに生き残ってきたのか?

それは、一概に神はいないとは言えないからだ。

君達もあるだろう。

昨日は凄くツイてなかったのに、今日は凄く運が良い。だとか。

その他の不思議な事象があるから、神という思想が生き残ってきた。

話を変えよう。

神は何処にいるのか?

僕は数十年、神の居場所という物を調べてきた。

仏教なら、天道という場所があり、そこが神の居場所となる。

長いこと調べてきたのだが、どれも 人間が生きている世界にはいない という共通点があった。

だがそれを覆す出来事があった。

アフリカの奥深くにいる森の中の部族を調べていた。

なんとも、こんなちっさい洞窟の中に、神はいると、この部族は言う。

しかも偶像を祭っている訳では無く、本当の神がいるらしい。

この世の全てを作った、唯一神が。

本当なのか、信じがたい話である。

部族達はその洞窟に入ってはならないという。


深夜3時を回った。

部族達は全員寝ている。

こっそり、洞窟の中に入ってみる事にした。

暗い暗い、洞窟の中。コウモリが腐る程居る。

懐中電灯の小さい光を頼りに突き進んでいく。

寒い、とにかく寒い、凍え死にそうだ。

しばらく歩いていると、大きい鉄の扉があった。

恐ろしく冷たい扉に、凍えながら触る。

なんとか開けれそうだ、最後の力を振り絞り開ける。

そこには、大きい大きい、コンピューターのような物があった。

漠然とした。これが神?何かの間違いじゃないのか?

コンピューターが神という事実を受け止め切れなかった。

これは何かの間違いじゃないのか?そう思いながら、辺りを見ると、モニターがあった。

世界中の人間のデータが集められている、目が眩みそうだ。

俺が今ここでこのイカれたコンピューターを見ているのも、あの部族達が寝ているのも、全て

機械仕掛けで出来ていたのか?

そう思うと、今までの思い出が走馬灯のようにかけめぐっていた。

今までの出来事が全てこの機械で出来ていたと思うと、焦燥感にも喪失感にも似た感覚が生まれた。

恐る恐る、自分のデータを調べた。

そこには、後一分で、自分の首が吹っ飛んで死ぬことが書いてあった。

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