ひとつ。ふたつ。みっつ。よっつ。

 雨が、やまない。


 次の日、ユキが立っていられなくなった。

 痛いのか尋ねてもユキは答えようとしない。どうやら声も出ないみたいだった。

 ひとつ。ふたつ。みっつ。よっつ。ユキの身体から絶え間なく水泡が出ていた。


「……」


 繋いだ手の向こうで、ユキが微かに震えているのがわかった。

 その震えは進行する症状への恐怖でもあっただろうし、悔しさでもあったと思う。

 オレはユキの手を固く握り返した。

 そうしないと、ユキが手の届かないところにいってしまうような気がした。

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