恋愛なんてしない!!
@Raichi1228
第1話最悪な出会い
恋愛なんてしない。
私の高校生活のモットーはこれだ。
彼氏と別れて悲しいとか、告白断られて傷ついたとか、はっきり言ってバカバカしい。そんなものに気をとられてテストの点数が下がったら最悪だ。だから私は恋愛なんてしない。と、思っていたのに、、、
「や〜よい!!」
「うわぁ!何?!」
「見て見て!高校でもまた一緒のクラスだよ!やったね!!」
この子は坂口渚沙。高校が一緒になった私の友達。いつも笑顔で明るい彼女は誰からも好かれるような人気者だ。
「早く教室いこ!」
そう言って彼女は私の腕を掴んだ。透き通った白い肌が、彼女の明るい笑顔とよく合っていた。
「えっと〜、私の席はここで、弥生の席は向こうだ!」
渚沙が指指した先には、先客が座っていた。
「あの、そこ私の席なんですけど。」
彼は寝ているのか返事がない。
「あの!そこ、、」
言いかけた瞬間、彼はこっちを向いた。
「席なんかどこでもいいだろ?寝てるんだから少し黙ってろ。」
「なら他の席に行ってください。私は入学早々問題を起こしたくないんで。」
なんて自分勝手な人!しかも校則破ってピアス開けてるし。こいつとは今後一切関わりたくない。そう思った。しかし、私はこいつの隣の席だった事が発覚した。
「最悪だ。よりによってこんなやつの隣になるなんて、、、」
「弥生〜なにぶつぶつ言ってんのー?はやくかえろ〜!」
出来るだけはやく帰りたかったが、ショックが大きすぎて足取りが重かった。
「でさ〜前の席の中島さんがね〜って弥生!やーよーいー!聞いてる?」
「あぁごめんごめん、なんだっけ?」
「もうーどうしたの?なんかあった?」
「隣の席があいつだった。」
「あいつって、、あぁ!そういえば、弥生の隣の席の子学年1イケメンってクラスで話題になってたよ!なんだっけ、そう八坂連!狙ってる子多いよ〜!」
あんな性格の悪いやつが学年1イケメンなんて!イケメンではなく性格がワースト1位では?そう思ってしまった。とにかくあんなやつのどこがいいのか私には理解できなかった。
渚沙と別れて家に着いた後、私はバイトに行く支度をしてバイト先へ行った。バイトのことは決して誰にもバレたくない内容だ。
「やよちゃん!3番テーブルで指名入ったよ!」
「今行きます!」
私のバイトの内容。それは
「はじめまして!やよです!ご指名ありがとうございます!」
キャバクラだ。
これには理由がある。私の家は父親の会社が倒産してしまい、激しく貧乏で借金が多いからだ。また、このキャバクラのオーナーが父親の友人であり、父に勧められたということも理由の一つだ。そして、今日は給料日。
「それじゃあ第1位を発表します!第1は、、、やよちゃん!おめでとう!」
「ありがとうございます。」
そう言ってもらった封筒の中には大量の一万円札が入っていた。帰り際、私より二つ年上のキャバクラの人から呼び出された。
「あんた、新人のくせに調子乗って1位なんかとってんじゃないわよ!なんであんたみたいな愛想も可愛げもない子が1位なんてとるわけ?まぁいいわ、普通新人の子がいい結果を出したらお世話になってる先輩にあげるのが基本なの。だから私がありがたくもらってあげる。はやくよこしなさい。」
これがいじめか。でも今お金を渡してしまったら借金が返せなくなってしまう。
「やめてください?ふざけんな!!」
そう言って彼女は私を押し倒した。手のひらから赤い血が流れた。
「なにやってんですか?」
聞き覚えのある声がした。
彼女は舌打ちをして去っていった。
「大丈夫か?」
声の主は八坂連だった。
私はすぐに逃げようとしたが、腕を掴まれてしまった。最悪だ。よりによってこいつにこんな姿を見られるとは、、。
「お前、、」
私は羞恥と悲しさで顔が赤くなっていくのを感じた。
「この事は学校とか外部の人に言わないでください。お願いします。」
しばらく沈黙が続いた。私はもう半分諦めていた。
「わかった。」
彼は突然いった。
「そのかわり、俺の彼女のふりをしろ。」
恋愛なんてしない!! @Raichi1228
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