わたしの商業誌デビュー

 わたしのさまざまな発信を見てくださっているかたにとってはそろそろ食傷気味かもしれませんが、はい、『紙魚の手帖』のことです。


 カクヨムから出発した無名無冠の書き手が、シリーズでもない二作品を同時刊行するデビューを成し遂げ、しかしその後は目立った活躍もなく……と思いきや実は年末年始はひそかに校正に追われておりまして、文芸誌に寄稿するところまでたどりつくことができました。

 東京創元社様『紙魚の手帖』vol.03のキレッキレの執筆陣の末席に連なっております。近況ノートに書影も載せてあります。

(「紙魚」は「しみ」と読みます)


 いつか書き手仲間さんたちと同人誌を作って一緒に文学フリマに出店してみたいな……などとひそかに夢想していたのですが、先に商業誌デビューをはたしてしまいました。

 ミステリ作家さんや扉絵を担当してくださったイラストレーターさんとつながることもでき、これまでとは違った世界の扉が開いたような気がしております。


 寄稿した読みきり短編「銀が舞う」は、恋愛小説ではあるのですが、これまで書いてきた長編のような独身者の恋愛ではなく、既婚女性の小さな思慕が膨らんでゆく物語です。

 その行方を見届けていただけたら嬉しくて、それこそ舞ってしまいます。

 もちろん、けっしてご無理はなさらないでくださいね。このようなご時世ですし。


 嬉しかったこと。

 発売日に朝一で購入し、「銀が舞う」の感想を電話で届けてくださったかたがいること。

「好きな作家見つけちゃった」とつぶやいてもらったこと。

 わたしのつぶやきを見て購入してくださったかたがいること。

 情報を拡散してくださった方々のこと。

 本当に身に余る光栄です。


 また、ひとりの読書好きとしても『紙魚の手帖』のおかげで充実の読書時間を過ごしております。

 創刊号からすべて落手したのでまだ追いきれていないのですが、とりあえずvol.3はイザベル・フォール「私の性自認は攻撃ヘリ」を読むためだけでも手に入れる価値があります。今この時代に読まれるべき圧倒的作品です。

(そしてそれなりにミステリを愛してきたつもりでいたことが恥ずかしくてもだえております……察してほしい……無知とは恐ろしい……。)


 自分の商業誌デビューが『紙魚の手帖』で本当によかった。僥倖を噛みしめて眠ります。

 買ったよ、読んだよ、というかたが他にももしいらっしゃいましたら、差し支えなければぜひお知らせくださいね。おそらく光の速さで反応します。

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