第15話

急いで電話した。でも、彼女は電話に出ることはなかった。

僕:久しぶり。え、どゆこと?

とだけ返信しておいた。家につきしばらくすると返信が来た。

藤川:今付き合ってる人がいて、その人と結婚する。

文面からなにか、望んで今の結果になったようでは無いように感じた。でも、藤川はやらかすタイプじゃなかったように思う。悩んだが、僕はどうすることもできない。それとなく色々聞いてみる。わかったことは相手はかなり年上で藤川が高校に入ってから行っている塾の講師らしい。少しメールしてその日は寝た。


次の日、藤川とのメールはまだ続いていた。教室で1人、藤川のことを考えていた。

「おい、林さんの教室行こうぜ!」

孝太が話しかけてくる。

「いや、なにしにだよ」

いきなり何を言い出すかと思えば……人の気も知らないで。孝太に引っ張られて林さんの教室の前まで来た。

「おい、マジで行くのか?いきなり先輩現れたらほかの知らん奴らもビビるだろ。」

「山下が同じクラスだろ?適当に話せばいいだろ。それに俺らがビビられると思うか?」

僕らは少し悲しくなった。

ガラガラッ

ドアを開けて教室に入る。すぐに山下も林さんも見つかった。林さんは同じバレー部の水寺さんと、はしゃいでいるのがすぐに分かった。分かってから見るとなんて分かりやすい……なんで僕なんだ、と不思議でならなかった。

「先輩、どうしたんですか?」

山下も俺らを見て、かけ寄ってきた。

「いや、暇だったから。」

「なんですか、それ。」

適当に話をする。

「おい、マジだったな。林さん」

孝太が小声で話しかける。顔がニヤニヤしている。腹が立つ顔をしてるなぁと思いつつも返事をする。

「やめろよ」

「じゃあな、山下!」

孝太がそろそろ時間だと話を切り上げる。僕らが教室を出ようとすると、林さんらと目があった。僕は林さんに向かって手を振って出て行った。出た後の教室でまたはしゃいでいるのが聞こえた。

なんで僕なんだろう……。

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