第9話

「集合!」

先輩たちが部活を引退し、僕らは3年生になった。孝太はキャプテンになった。

「今日の練習を終わります!解散!」

孝太の号令で放課後の練習を終えた。


「孝太、帰るぞ」

僕らは駅に向かった。

「あ、大山さんだ」

「え、どこ?」

「あぁ、違った」

「おい」

……こいつ…遊んでやがる…

「で、いつ、告白すんの?」

孝太の問いかけに思わず、ふいてしまった。

「何、言ってんだよ」

「いや、普通のことだろ。もう何もしないまま3年だぞ」

1年生の時のあの試合で好きだと自覚してしまったが、僕は何もできずにいた。あの日、肩を抱いたまでは良かったが、先生が来てしまい、おもわず離れてまった。そのままそのことには触れず帰った。

「いや、でも……」

僕はなかなか決心がつかなかった。


しばらくなにも無い日が続く。3年になって、後輩ができた。人数は4人と少なかったが、やる気のあるいいメンバーが集まった。


「おつかれさまでーす」

後輩の1人、山下和樹やましたかずきが挨拶をしてくれた。中学では強豪校にいたらしい。

「おお、おつかれ。」

山下とはこれからもまだまだ長い付き合いになるけど、今はまだ知るよしもない。


帰り道、孝太と別れて一人で考える。

「よし、告白しよう。」

不思議とスッと決心することができた。中学のようにドン引きで終わるかもしれない。でも、後悔はしたくないと思った。家に帰ると早速大山さんにメールを送った。

僕:おつかれ♪今なにしてる?

心臓が飛び出しそうだ。今まで普通にできていたメールを打つ手が震える。しばらく待っていると返信が来た。

大山さん:どしたの?特になにしてるってないけど……

急いで返信を返そうとする。また手が震える。

僕:いや、ちょっと話したいなぁと思って。

大山さん:そうなんだ。別に私と話してても楽しくないでしょうに。


僕:楽しいよ!好きだから。


言ってしまった。こんなに突然言うつもりはなかったのに自然に手が動いた。送ろうか迷ったが送ってしまった。ピロン♪返信が来た。

大山さん:え?(°▽°)

僕:好きです。付き合ってください。

大山さんに想いを伝えた。僕は部屋で縮こまって返信を待った。この待ってる時間は今までの人生で一番ゆっくりと流れた時間だっただろう。1分1秒がとても長く感じた。返信がくる。

大山さん:えーっと……ありがとう。びっくりした。考えた。

     


     これからよろしくお願いします。


僕は部屋で泣きながら叫んだ。


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