若き経済学者・橘瑞樹氏が論文にまつわるトラブルであれこれ思い悩む話を彼の妻の美緒さん視点で書かれているのですが、経済学の素人である美緒さんの目を通しているので、学界・論文発表のルールなどすんなり説明が入ってきます。なので、難しいことは何にもありません。
舞台はニューヨークで、夫の職業は研究者だけど、働く夫と彼を見守る主婦の妻、という、よくある、しかし非常に心温まる優しい夫婦の物語になっています。
美緒さん視点ですが、彼女のおっとりとした性格やおいしい食べ物への探求心、そして何より夫への愛を感じられて、読んでいてにっこりです。
二人と一緒にニューヨークで暮らしてみた気持ちになりました。