第2話 出会い 1

ボーーーっ

ロンドンからの客船が到着した合図が横浜の港に響いた。

私、北条心美は海の匂いを肺いっぱいに吸い込み、姿勢を正した。


心美「お父さんが言ってたお客様を探さなくちゃ。でも、名前しか知らないんだよね…」


父に頼まれて迎えに来たはいいものの、あまりの情報の少なさに頭をかかえる。


心美「ええと…ジ、ジャ、ジャック、アーサー…だよね?英語は苦手だよ…」


?「君だよね?ココミチャンって。」


心美「きゃあっ!だ、誰ですか?!」


急に目の前に180はあるであろう男が立っていた。


?「え、ココミ・ホウジョウって子が迎えに来るってケンシンサンが言ってたんだけど…もしかして人違い?」


心美「確かに私は北条心美ですが…」


?「よかった!人違いじゃないんだね!

  おーい!ココミ見つけたー!」


男が船の方へ声をかけると、やがて一人の男が大荷物を抱えてやってきた。

近くに来るまでわからなかったが、2m近い。私の身長はたかだか160cm。こんな大男二人に囲まれて、私は今すぐにでも逃げ出したい気分になった。


?「そうだ、ココミ!ケンシンサンのところに案内してくれるんだろ?早く行こう!」


心美「は、はい!こっちです!」


.....................................


家に着き、父の書斎まで案内する。そこまでが私の仕事。終わったら部屋に逃げ込む準備はできている。

もう二度とこんな仕事したくない!怖い!

後でお父さんに文句言ってやるわ!


コンコンッ


心美「お父さん、お客様をお連れしました。」


父「入りなさい」


扉を開けて二人の男を通す。失礼しますと頭を下げて扉を閉めようとすると、


父「心美、どこへ行くんだね。座りなさい。」


お父さん、あなたは鬼か何かなの?!こんな大男たちと一緒の空間にもう一瞬たりともいたくないのに!でも、逆らえない…


?「ケンシンサン久しぶりー!一年ぶりぐらい?」


父「相変わらず元気だな、お前は。」


?2「全く、少しは落ち着いてほしいんですけどね。」


父「はっはっはっ、違いない。君も苦労が絶えんな。」


?「なんだ?お前、悩みごとでもあんのか?」


いや、今の流れ的にあなたのことでしょう!と心の中で叫ぶ。

この人、人に心配かけても気づかないタイプだわ…


?2「お前のことだよ…はぁ…まあいいか。

   それよりですね、ケンシンサン。今回私たちを呼んだわけを話してくれませんか?」


父「うむ…それなんだがな、今回君たちを呼んだのは他でもない。奴らがまたこの国にあらわれたからなのだ。」


奴ら?誰だろう…


?「…で、場所は?」


父「私の娘、心美の学校。」


?2「なんですって?!」


はあ?!なによそれ、聞いてないわ!何?私危険なの?


?「なるほど、じゃあ、今回の依頼はココミチャンの護衛+奴らの抹殺ってことね。」


父「そうだ。頼むぞ。私にはどうすることもできんのだ。」


?2「大丈夫ですよ、我々が命を懸けて娘さんをお守りします。」


?「その通りだぜ!このアーサーの名に誓って、ココミには傷一つつかないよ。」


なんかよくわかんないけど!とりあえずこの人たちが私のボディーガードになるってのはわかったわ。

ちょっとまって、てことは、この人達と一緒にすむのーーー?!


そう、これが、私とアーサーの出会いだった。

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~特殺~ @ItsukiOsaka040508

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