ささくれ


ボウボウうなるうさぎの耳は まっかに燃えている


一 二 三 四 そらの白みに抜かれぬようにと


ときどきウンウンうたっている



てんてん後ろをこぼれるように 電子パズルを背負ったすずめは


缶コーヒーを無理やり飲んで 車道の水脈を歩いた


街路樹から落ちたスーパーボールが 自慢のくせ毛でバウンドすると


あのオリオンまでのぼったそこで ピンボールの玉にになる


「世界征服のきざしだね。」


毛布のような言霊は またひとつ心地よい荷物となって


一 二 三 四 一 二 三 

一 二 三 四 一 二 三


ボウボウうなるうさぎの耳は なおもまっかに燃えている

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よるの詩集 金栗捨 @kokuhiro1127

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