第1章 全言語理解《オールOK》
第1話 RE:START
暗い空間に俺は一人佇んでいた……。
「何処だ此処?」
そう言いながら周りを見渡すが、暗くて何も見えない……。
「んん~? こんな時間に誰ですか? もう今日来るはずの死者はみんな送ったはずなんだけどな? って……。もしかして何かミスっちゃった? どうしようバレたら怒られる……。よしっ、私は何も見てない聞いてない……。もう一回寝よう」
誰だか分からないが女性の眠そうな声が聞こえた病院なのかな? とりあえず電気をつけて、ここが何処なのか確認しよう。
俺は電気をつけようと手を壁につけて電気のスイッチを探す。
「んん~? あっ、あった! すみません、ちょっと電気つけますね?」
そういって電気をつけるとピンクと白を基調に可愛らしく彩られた部屋に立っていて怪我をしていた右足の太股には傷跡が見られない……。
「何で電気が? やっぱり誰か居る……。嘘だ! 嫌だ嫌だ! また先輩に怒られる! うぅ~っ、どうしよう?」
部屋にあるベッドの布団の中に誰か居るのか、ブツブツと独り言が聞こえてくる。
「ここ何処ですか?」
「神界です。そしてここは私の部屋です」
いちおう返事はしてくれるらしい。
「どうして俺はここに?」
「きっと手違いです。私は何もしてない……と思う」
思うなのかよ……。
「どうすれば戻れるんだ?」
「…………どれません」
ちゃんと聞こえなかったけど『戻れません』って言ったのか? もしかして……。
そんなことを考えていると辺りが明るくなり天井から背中に」天使のような羽が生えた女性が現れた。
「こらっ、起きなさいナディア! 状況は分かっているんですよね?」
羽の生えた女性はベッドで丸くなっている女性? のところに行き、布団の上から殴りつけている。
「分かってます! 分かってますから殴らないでください! あぁ~っ、やっぱり怒られるんだ……。私がミスったのかな? でも間違いは無かったと思うんだけどなぁ~」
布団の中から女性の泣き声が聞こえる。
「分かっているなら早く出てきて対応しなさい。ごめんなさいね? もうちょっと待ってもらえるかしら?」
そういって羽の生えた女性は布団を剥ぎ取っていく。
「ちょっ、待って! 待ってください! まだ……」
剥ぎ取られた布団の中から生まれたままの姿の女性が居た……。
「みっ、見ないでください! 先輩もフリーズしてないで布団を返してください!」
手で胸と大事な部分を隠しながら涙目で金髪美少女が叫んでいる……。声は幼そうだったのに身体はかなり大人びていて、かなり大きい……。
「なにも着てないあなたが悪いんでしょ! 早く服を着なさい」
そういって布団を彼女に返して羽の生えた女性は苦笑いをしてくる。
「それじゃあ、私達は隣の部屋で待ってましょう」
そういって羽の生えた女性は扉を開けて部屋を出て行ってしまったので俺も彼女を追って隣の部屋に行くことにした。
「着替えてきました」
そういって黒いネグリジェを着た金髪の女性が隣の部屋から出てきた。
「なんて格好を……。まぁ服を着ているだけ良しとするか……。それで、彼はどうしてここに居るんだい? ナディアが着替えている間に確認したけど彼がここに来るのはまだ先みたいだけど?」
「はい、知ってます。だって今日はきちんと確認したもん」
拗ねたような声でナディアと呼ばれていたネグリジェの女性は困ったような顔をしている。
「今日は、ってことは昨日や一昨日はきちんと確認していなかったということですね? まったく、あなたは女神としての自覚が足りません! 本当は、もっときちんと叱りたいのですが彼をこのまま放置するわけ人はいかないので最後まできちんと説明してあげてください。私が捕捉します」
そういって羽の生えた女性はネグリジェの女性の背を押して俺の前に連れてくる。
「えっ、えぇ~っと……。本当にごめんなさい!」
ナディアと呼ばれているネグリジェの女性が俺の前に土下座して謝ってくる。
「いや、いきなり謝られても困るんだけど? どうして俺は君に謝られてるの?」
そういって彼女を見つめると、彼女は助けを求めるような目で羽の生えている女性を見つめる。
「えぇ~っと、私がこの子の代わりに要点だけ簡単に説明しちゃうね? この子の手違いで、まだ死ぬはずじゃなかった貴方は死んでしまったの。今、調べてみたんだけど貴方の身体は三日前に火葬されていて残っていないみたい……。それでね、ここからは相談なんだけど人生をやり直すつもりはない? 異世界に生まれ変わらせてあげられるんだけど……。勿論、こっちの手違いだから出来る限りのことをしてあげる」
そういって俺のことを見つめてくる……。
「身体も無くて生き返れないなら転生しませんか? ぶっちゃけ言っちゃいますが転生しないで、あの世に行くってことも選択肢にはありますが、あの世って罪人以外は何もすることが無いんですよね……。なので転生してみましょうよ!」
ネグリジェの女性はそういって俺のことを見つめて頷いてくるが俺はこの時思った……。そもそもの原因はお前だからなと……。
「分かりました。転生します。けど特典を付けてもらうのは勿論、ミスをした彼女に何も
罰が無いのは納得がいかないので何かしら罰してくれると幸いです」
そういうと羽の生えた女性は頷いて『勿論そのつもりよ』と言ってネグリジェの女性を見つめて冷笑を浮かべていた。
「そういえば転生した際の年齢はどうなるんですか? 赤ん坊からやり直さなくちゃいけないんですかね?」
冷笑を浮かべている羽の女性に尋ねると彼女は首を横に振って本を取り出して俺に見せてくる。
差し出された本には『転生時の年齢は生きていた時の年齢までなら変更可能』と書かれていた。
「どうしますか?」
ネグリジェの女性が尋ねてくるので俺は今の年齢のままでいいことを伝える。
「それじゃあ転生特典なんだけど、このカードの中から3枚選んで♪ もちろん見て選ぶのは禁止ですからね」
羽の生えた女性はそういうと俺の前にカードを6枚差し出してきた。
「分かった、それじゃあ適当に……」
そういって右側のカードを3枚引く。
「分かりました。それでは2度目の人生が【
手にしたスキルを教えてもらうこともなく俺の視界は再び暗闇に包まれた
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