夢のようなのです!
俺はあれから先輩と別れを告げて、家に帰った。
それからしばらくスマホで動画とかSNSを見ながら眠くなるのを待っていた。
一時間後に眠気が来て、俺は眠った。それが俺の中での記憶だ。
でも今の意識はドロドロとしていて、気持ちが悪い。
なんだろう?
これが夢なのかどうかは判別できない。
でも私は夢だと思う。
――私?
私はわたしに問いかける。
そこで俺はもはや俺ではないことに気づく。
体が溶けていく。リングから発せられる光が熱い。
「君のせいよ」
と彼女は言った。でも彼女の存在を私は知らない。
私は私が誰であるのかもよくわかんなくなっていた。
唯一わかるのは、今までの自分とどこか変わってしまったこと。
ああ、ここはきっと夢なんだ。
夢だから何がなんだかわからないんだ。
でも何故こんな夢を見なくてはいけないのだろう?
疑問に思って私は少し歩いた。
そこにはオタクショップで買い物をしている男の人がいた。
その男性をどこかで観た覚えがある気がするけど、それがなんなのかはわかんない。
わかんないこの感覚は怖い。
怖くて怖くて震えてしまいそうなほど怖くて、実際に震えていた。
その震えがさらに恐怖を煽るから、私はもうどうしようもなくなってしまっていた。
俺は先輩とあれから別れを告げて……。
わからない。
俺は俺のことがわからない。
急になにもわからなくなってしまった。
恐ろしい。
だんだん汗が流れてくる。
鼻孔に液体が入ってくると、その臭いが汗の臭いではないことがわかった。
血。
私は血を流している。
でも俺はそれを受け入れようとしない。
意識が混じり合って、何が何だかわからなくなっている。
そうか、MagiaGameが開催される。
私は招待されてしまったんだ。
魔法少女の私はそれに納得する。
でも、平凡な高校生の俺はそれに否を唱える。
なんでもない日常が壊されるのが怖くて、でもなにに怯えているのか本当はつかめていなくて。
「ゴールデンウィークに死ぬ高校生のことをどう思う?」
最近テレビで見覚えのある少女が俺に問いかけてくる。
彼女は主催者の孫だったかなんだか。
しかし「ゴールデンウィークに死ぬ高校生」ってのがなにを意味しているのか全然わからんぞ。
大会前にこんな不謹慎なことを言ってくる非常識なやつが主催側にいる大会に俺は出ねばならんのか。
そうはいってもこれはただの夢なのかもしれない。
夢はいつだって非常識なものではないか。その夢で常識的行動を望むのはおかしい。
しかし全然わからないぞ。俺は何を見てるんだ??????
俺はそれから覚醒するまで、意味のわからない風景をじっと見つめていた。
長い夢だった。
でもそれは、大切な夢だったんだ。
少女がちいさい声でつぶやくのが聞こえる。
「あなたみたいなイレギュラーには長生きしてもらわないと面白くないんだからねっ」
男でも魔法少女になれたけど、闇のゲームに参加させられるみたいなのは酷いよね? アフォウイルス @ahokin24
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