點絳唇

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 偶 成 懐 花 貌

我 恨 佳 人 點 絳 唇

任 他 酒 醒 涙 沾 巾

愁 情 一 夢 與 君 別

自 分 含 羞 一 度 春


 偶成 花貌かばうを懐かしむ

我は恨みん 佳人よびと 絳唇かうしんてんずるを

任他さもあらばあれ 酒は醒めて涙はきんうるほ

愁情しうじやう一夢いちむに君とわか

みづかぶんとしてはぢを含む一度ひとたびの春


【語釈】

絳唇かうしん:紅い唇。「點絳唇」で「口紅を塗る」の意。

任他さもあらばあれ :どうにでもなれ。

愁情しうじやう:憂えて悲しい気持ち。

一夢いちむ:夢を見る束の間。

みづかぶんとして:自分からあきらめて。


※韻は上平声十一真の唇・巾・春、仄起式七言絶句。


備考備忘:承句第四字の△、孤平の禁に該たるや否や。


〔平字○/仄字●/平仄両様字△〕 

【起】●●〇〇●●〇(韻)

【承】●〇●△●○〇(韻)

【転】〇〇●●●〇●   

【結】●●〇○●●〇(韻)

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