応援コメント

御衣黄」への応援コメント

  • 行人さま、おはようございます。
    Carpe diem(今を楽しめ)……これは勿忘死(メメント・モリ)に何処か通じるような花季の味わいが致しました。「今日」という花季を逃さず、「今」という刹那を輝かせる季節。束の間(エフェメラ)の季(とき)に咲く少年少女、その花咲(ほほえ)みが眩しい春の終わり。どうか禍々しい病や、個人的にはアレルギー症状も終わってくれますようにと祈らずにはいられません。
    睡(ねむ)く塞がる目蓋がアトピーのように粉をふいてカサカサだったのですが、自炊生活で加工食品をOFFしている成果か、ずいぶん明るくなって参りました。行人さまはジンジャーエールもお手製とのこと、安心して召し上がることができますね。
    自炊のお話で、「雛鳥色の出汁巻き卵」を憶えていてくださって! 貴重な蛋白源として、この春、しばしば食卓に並んでおります。行人さまの記憶力は、いつもながら冴え冴えと確かな単語を浮かび上がらせ、今に導く力を持ちますね。何か新しい世界に踏み出せそうな気持ちが湧いてきました。
    「嫩やぎの葉色」という表現は、葉桜の色と同時に稀少な翠色の櫻の色。或る季節の終わりと始まりの繋がる心象を持ちました。来月あたりには、春眠を決め込んでしまったオフィーリアを、ゆるゆると起こしていこうと思います。次の季節(ステップ)への示唆が溢れる語彙世界を、ありがとうございました。今後とも行人さまの語彙世界の発展を楽しみにしております。

    作者からの返信

    ひいな樣

    お身体、快方に向かっておられるようで何よりでした。眠られぬ夜を越えてではなく、珍しく熟寝して迎えた朝にお返事を認めております。

    世は今や「若葉のころ」を迎えつつありますね。Carpe diemと勿忘死、どちらも時間に関する箴言ということでしょうけれど、さりとて言うは易く行うは難し、私も日々に継起する些事から人生の重大局面になりうるものまで、思えば随分と多くの「花季」を逃してきたようです。疎覚えなのですが、坂口安吾によれば、人生における失敗には二種類あるらしく、曰く、一つはその存在を予め認識して未然に防ぐことのできる失敗、いま一つは予め認識しており乍ら避けることのできない失敗だそうで、青春時代の失敗は概ね後者に該当するのだと……なるほど、大人たちが自らの「失敗」を踏まえて如何に言い含めようとも、青春只中に在る嫩い人々が得てして、かつての少年少女たちとやはり同じような失敗を繰り返すというのは宿命なのでしょうか。
    ヰルス対策も二年目を迎えておりますけれど、個人的には一年目の教訓に学んで、自身の行動を後々「未然に防げた失敗」だったと後悔しないよう心掛けたいものですよ。

    目蓋のカサカサ、特に乾燥の酷い冬場は私も時折そうなりますので何となく解ります。保湿しようと化粧水やクリームなどを念入りに塗り込んだ積もりが逆効果になっていたり、下手をするとこれらが眼に入って眼球に痛みを生じたりと、何かと難儀なところなので……眼と言えば、先週初め、昼日中の左眸に実に美事な「煌めく階段」こと閃輝暗点が現れまして、久方ぶりに偏頭痛を発しました。嫩者の表情のように目紛るしく変わる季節らしいことです。そして、雛を育てる燕を見かける機会も弥増す季節ということもあったからでしょうか、「雛鳥色の出汁巻き卵」、思い出したのかも知れません。印象的なフレーズですもんね。焦げ目の無い綺麗な色なんだろうな……私などは焼き具合の按配が難しく、何時も濃いめにメイラード反応させてしまい克ちです。器具が良くないのかな?(いや、器具の所為にしては不可ませんね 笑)

    「葉桜の色と同時に稀少な翠色の櫻の色」から「或る季節の終わりと始まりの繋がる心象」をイメージして下さいました。花が終わった後の翠と花そのものの翠の共演は、確かに「終わりと始まりの繋がる」まさに間(あはい)、実はシームレスに季節のバトンを渡す自然の密やかな営みに思えたこともあり、拙文「御衣黄」としてものしてみた次第です。櫻の花季を逃しても御衣黄の花季を目の当たりにできた、何かが終わっても何かが始まっているのだということを強く再認識できれば、実はいつ何時であっても常に何かの「花季」であると捉える考え方へ繋げていけそうです(輓近、自分が随分と楽観的で驚きます)。「何か新しい世界に踏み出せそうな気持ち」をひいなさんがお持ち下さったのだとしたら、大変嬉しいです。

    そして竟に「オフィーリアのめざめ」……その時の来ること、もう少し続くであろう春永にお待ち致しております。にしても、揺蕩う彼女が一命を取り留めてその後も生きていったとしたら如何なっていたでしょうね。ヴェーデキントの『春のめざめ』に登場する思春期の少年少女たちのように、次は「妊娠」を巡る大人たちのエゴによって又しても悲劇に見舞われないとも限りませんが……朝からするお話ではないかも知れません。散歩に行って参ります。それぢゃ。

    編集済