応援コメント

餐堂の燭」への応援コメント

  • 今晩和❤今夜は束の間(エフェメラ)お嬢様に謁見(長話)に参りました。
    まずは、平底鍋、二叉子、高脚杯、洋皿、食匙……お台所の調度品の漢字表記が輝かしく、たいへん素敵です。調味料では「甜き白真砂」の味わいが深く、カラメリゼされる以前の真っ白な姿が印象に残りました。
    橙子果汁に焱洗される可麗餅。その束の間、煌めく姿。寄り添う乳氷。温と冷の共存する一皿のレシピ、美事でございました。
    ところで『鴆毒』は、記念すべき第一話目だったのですね! 初回から圧倒的なクオリティーでした。「飲鴆止渇」……この狂暑の標語です。私たちは安全な水を飲みましょうね。
    私の読んでおりましたイマジネーションの翼の原点は無毒で咽喉越しが良いと見せかけて、引っ掛かりを残す種類のものです。スルーさせてくれないという点ではスイドリームスのブルー。店頭で香りを試していますと、良い香りと感じられるものは沢山あるのです。そんな中、素通りできず戻ってしまう香水は、南国の果実の嫩い時代と腐敗寸前の甘ったるさ。矛盾していますが、私にとっては双方を持ち合わせているスイドリームスのブルーです……香りを文章で表現するのは難しいですね。ちなみに工藤様のお好きな香水は、どんなでしょう。
    仮寝ならぬ熟睡の時間、お邪魔いたしました。おやすみなさいませ。

    作者からの返信

    宵澤樣

    エフェメラお嬢様付の語彙執事ユキトでございます(なんちゃって)……お返事が遅くなりまして失礼致しました。

    西洋の調理器具やカトラリをいざ日本語に置き換えてみると中々に難しく、寧ろ中国語(のようなもの含む)の方が器具の特徴を捉えていてしっくりくるような気がしませんか? 「甜き白真砂」の部分にも目を留めて下さり有り難うございます。実は「焦糖化(カラメリゼ)」という語も五音であるだけに使えないものかと試行錯誤したのですが、結句、このような形となりました。クックパッドのレシピをこの文体で書いたなら……ある方からは「解読から始まるシリーズと呼ばれそうです」との評を頂戴してしまいました(笑)。解読し乍らでは失敗も必定、焦糖化どころか平底鍋の裡は焦土化することでしょう。

    「無毒で咽喉越しが良いと見せかけて、引っ掛かりを残す種類のもの」……人にも、そういった御仁がおられるような気がします。ある意味、一番厄介で一番愛おしいものかもしれませんが、スイドリームスの香りもそうなのですか。「嫩い時代と腐敗寸前の甘ったるさ」とは、三吉先生にある意味で相応しい香りでもあるように思われますね。ヒナノさんもそんな三吉先生の纏う香りに「引っ掛かり」を感じてしまったのでしょうか。クレープシュゼットの温と冷との和合の如く、全盛と滅びとが同居する香り、これもまさに《coincidentia oppositorum》、反対物の一致です。聖なるモノは得てして両質具有、両性具有。

    汗をかく夏は香水にとって受難の季節となりがちですね。殊に今夏は……。私は通年で久邇香水を愛用しておりまして、春先など身に纏うこともありますが、薔薇の天然香料なので香りが飛びやすいためハンカチなど小物に含ませて楽しむことが多いです。あとトムフォードの香水を使います。今時分は専らネロリ・ポルトフィーノ・アクアで、コートが必要になる頃くらいからブラック・オーキッドに切り替えます。前者は柑橘系でほんのり甘く軽やか、後者はチョコレートやバニラのような厚みのある甘い香りが印象的です(仰るように香りの描写、難しいですね……)。改めてこうして書いてみると、好みにあまり統一性は無いのかもしれません。

    暑い中でも、ご健筆、お変わりないようで何よりです。御作、週末にお邪魔させて戴きます。穴賢々々。

    編集済