応援コメント

瘴氛」への応援コメント

  •  現在大いに思い当たる節のある内容ですが、難読語と漢文調で密かに示されている点で、非常に新鮮に映りました。数年後に読み返したら、(失礼ながら)ただの意味不明な文字列に見えてしまうのか、それとも教訓譚としてさらに深い印象を受けるか気になるところです。一目で読み取りきれないことで、読み手の心理まで映されているような作品だと思います。

    作者からの返信

    都途回路 樣

    工藤行人です。初めまして。
    この度は拙文ご笑覧下さり、フォローとコメントを有り難うございます。
    また、頂戴しましたコメントへの返信の形で恐縮ながら、開催中のご企画「難解な作品」に参加させて戴いておりますこと、またそのこともあってか、恐らくそこから経由して拙文にご興味をお持ち下さる方が増えておりますこと、遅れ馳せながら併せて御礼申し上げます。

    ご指摘のようにこの「瘴氛」、かかる時代的文脈なればこそ意味を汲み取って戴けるのであって、数年後に読み返した時、何のことやらさっぱりわからない、という情況は大いにありそうですね……願わくは、その時々で何らかの「意味」付けを読者諸氏に施して戴ければこれに勝る悦びはありません。そのこととも関連するのですが「一目で読み取りきれないことで、読み手の心理まで映されているような作品」との御評、一等嬉しかったです。といいますのも、この「豊穣なる語彙世界」のシリーズは、何らかの意味・内容・メッセージを持つ物語性を縮退させる代わりに言葉や文字そのものの表徴や図像、シンボリズムに焦点化して、伝えたい「内容」よりも使いたい「言葉」を優先させた「語彙の型録」を標榜しておりまして、極論すれば「中身」が無に等しいため、解釈や意味づけを読者諸氏に委ねてしまう、開き直った(ある意味で不遜な)文章を目指すところに起筆の契機があったからなのです。「意味」ではなく「イメージ」の言語的構築物、その時々の「読み手の心理」を投影して如何様にも反射させるプリズムのような言語的構築物でありたいものだと願っておりますが、目論見、奏功しておりましたでしょうか?

    ところで「都途回路」さんのお名前、面白いですね。「大穹窿の半天に」で始まる当拙文に「toto caelo」さんからコメントを頂戴する廻り合わせ、こういった「符合」といいますか、言葉遊び(と申し上げて大丈夫でしょうか?)、個人的に大変好もしく思われます。漢字表記では「都(すべ)ての途は回路」、一度通ったきり二度と通ることのない途よりも、同じ途の回路を何度も歩いてなぞっていくことで気付ける愉しみもあるかもしれません。文章もそうありたいものです。

    勤勉な書き手ではございませんが、今後とも折々にお運び下さいますと幸甚です。私も近々に御作拝読しに伺います。

    初めましてで長文の返信を失礼致しました。すでにお気付きかも知れませんが、私、コメントや返信が長いのです……ご容赦下さいませ。

  • 工藤様、こんにちは。御無沙汰しております。
    両目に麦粒腫を患いまして、勝手ながら一ヵ月ほど、休暇を頂いておりました。
    漸う症状が和らぎまして、遅ればせながら、お伺い致しております。
    個人的に大好きな「天地玄黄」の最新の頁から……「嫩」で禍いを断つ。「嫩」には「物の初期」という意味もありますね。新型ウィルスの蔓延も、とどまってほしいものです。烏座が終熄を導かんことを願います。林鐘の雨は、まだ降り続いておりますね。まだ脳膜に面紗を被ったような、ぼんやりとした状態でございまして、あまり良い感想が書けず恐縮です。
    お話の続きですが(!!!)は珍しい表現でしたね。『恋人たちの森』に(パウロ!!!)、(ギド!!!)という表現が出て来ますが、ショッキングな光景を目にしたときの(!!!)でした。姉様の御覧になった気象現象は、さぞかし衝撃的なほど美しかったのでしょうね。そして工藤様の召し上がった一品も(!!!)の味わい、衝撃的な幸福の瞬間だったでしょうか。
    休暇中、工藤様からの応援が非常に励みに、なっておりました。追伸も、ありがとうございましたm(__)m でハ又。

    作者からの返信

    宵澤樣

    お久し振りでした。またおいで下さりありがとうございます。

    麦粒腫は両目にだったのですね!!! 先だって下さったご返信の中で私にも「双眸を大切に」とのお気遣いを頂戴しておりましたが、他でもないそれが「双眸」であることの意味に漸く気付きました。てっきり片目だけだとばかり……両目とはさぞ難渋されたろうとお察し申し上げます。まだまだご快癒とまでは行かないご様子、ただお具合自体は快方に向かわれているとのことで何よりです。

    「豊穣―」は所思あって話順を一部入れ換えておりましたので、戸惑われたのではないかと心配です。「お得意様」がお戻りになりましたので直ちに元に戻しました(前回は「行住坐臥」の「承和色」をご笑覧下さっています)。
    ”Obsolete Lexicon”(古びた語彙集)はいつでも「お得意様」のご来訪をお待ち申し上げておりますが、ルビ繁多な拙文はあるいは目への負担の大きい可能性なきにしもあらずですので、ご体調と相談され、本当にお疲れでない時にいらして下さいね。

    にしても瑞々しく美しい「嫩」はともかく、四季折々に萌え出づる病の「嫩」だけは早くに摘んでしまいたいものですね。私も梅雨入り初日というタイミングに合わせて冗談のように偏頭痛が出て、三日ほど悩まされました……。コロナの動向も気懸かりですが、差し当たり為すべき(とされる)ことだけは懈らないようにするしかないのでしょうね。

    まだ拝読していない御作もありますので、またそちらへもお邪魔しますね。
    で八ヌ。

    追伸
    例の佃煮は二瓶目に突入しております。自粛生活は小さな幸せを再認識する良い機会かもしれませんね。「姉様」の眼路に映じた朝日のように。

    編集済