応援コメント

承和色」への応援コメント

  • こんばんはm(__)m
    今夜から「行住坐臥」を拝読しております。
    「承和色(そがいろ)」は、菊の花の色なのですね。石竹・浅葱・甕覗きなど、日本古来の色名は独特の美しさがありますが、「承和色」も然り。「黄色」では表わせない色彩です。かつて「色辞典」という90色の鉛筆を持っていたことを思い出しました。
    「玻瓈茶壺(ティーポット)」、「檸檬草(レモングラス)」、「荷蘭薄荷(スペアミント)」、このあたりは気温が上がり切らない或いは下がり始める時刻の、少年の飲みものとして相応しいイメージで、「円舞(ワルツ)」と「廻旋(ピルエット)」から、薬艸と熱湯の渦が見えてくるようです。工藤様の好まれるフレーバーは、どんなでしょうか。ルピシアの紅茶は、パッケージも茶葉の名前も風味も上品で、工藤様のイメージに似合う気がいたします。
    此方で非常に恐縮ですが『白百合の病』を読了いただきまして、誠に有難うございました。白百合病をモチーフに長患いの私は、工藤様の『貴婦人、最後の恋』が気になっております。恋患いの物語でしょうか。一気読みしてしまう日も近いかもしれませんが、ご容赦くださいませ。

    作者からの返信

    宵澤樣

    今晩は。いらっしゃいませ。
    「承和色」は仰るように平安時代の承和(じょうわ)年間に在位した仁明天皇が好んだ菊の色に因んでいるそうで、「気温が上がり切らない或いは下がり始める時刻の、少年の飲みもの」とお察しの通り、本作はお午前の間食の飲み物として淹れたレモングラスの薬湯の揺らめきを見乍ら昨年の秋口に書いたものだと記憶しております。ところで、この仁明天皇が持つ「深草帝(ふかくさのみかど)」なる別称、京都の地名に基づくとは知り乍らも、何やら薬艸まで連想させてくれて面白いですよね(笑)。「令和色」というのは未だ無いようですが、令和改元の慶祝カラーとして日本流行色協会が「梅」「菫」「桜」の三色を選んでいるようです。

    然し本当に日本古来の色名は口にするだけでも雅なもの。実は宵澤さんが挙げておられる「甕覗き」などは、「塒出の鷹」の中で登場させる大水青蛾の体色を表す語彙として使えないかとつい最近も試行錯誤していたのですが、微妙に合わないような気がして、結局「白緑(びゃくろく)」に落ち着けてしまったところでした(まだ公開していないのですが……)。「色辞典」の90色にはこの両色も含まれているのでしょうか。だとしたら小学校などでぜひとも使ってほしいものです。

    茶葉の「円舞(ワルツ)」「廻旋(ピルエット)」を見られるのは、ティーバッグでなくリーフで淹れる時の眼福ですね。私がよく飲むのは、やはりレモングラスをベースにしたものでしょうか。今はポンパドールの有機レモングラスを飲んでおります。元々、ハーブティーとの出会いがアレルギー体質の緩和を目的としたものだっただけに、未だに有機栽培の茶葉ばかり選ぶ癖が抜けません。ハーブティーデビューは、恐らく珍しいと思いますがボリジでした……懐かしいです。紅茶はハムステッド(HAMPSTEAD )というブランドのものを愛飲しておりますが、ルピシアも何度か戴き物したことがありますよ。缶も可愛らしいですよね。イメージを汚さぬよう私も精進せねばなりますまい(笑)。そういえば、最近、東京中野にあるOHASHIというお店の「クロモスBOX」なるシリーズのお茶を戴き、木の薄板で作った大変可愛らしい曲物の箱に入っているのも珍しかったのですが、「いちご緑茶」「柚ほうじ茶」「ミントグリーンティー」など風変わりな名前の、しかし何れも意外に味の組み合わせが良かったのに驚きました。それと、いらぬ情報やも知れませんが、食事が和食だった時は、食後に決まってドクダミのお茶を飲んでおり、間食では抹茶を点てることも多いです。これから暑くなるにつれ、冷たいミント系のお茶で喉を潤す機会が増えそうです。いけない、お茶のお話、些か喋り過ぎました。

    『白百合の病』は『人形への小夜曲』最新話へのコメントで読者の方が触れておられたので、「あっ」と思って拝読した次第です。ミレーのオフィーリア、少女性など、宵澤文学を理解する上での重要なモチーフが鏤められていたのですね。

    それから拙作「貴婦人、最後の恋」にご興味をお持ち下さり有り難うございます。恋患い、なのだと思いますが、詳細はタグにてお察し下さると幸いです。また、もしお読み下さる折は、ぜひとも「貞淑なる女帝の後宮」第零話「老伯爵と賢帝」を先にご覧下さいませ。「貴婦人―」第1話と繋がっておりますので……。実は「貴婦人―」は「貞淑―」に「飽かぬは君の御諚」も含め、総て登場人物や世界設定が共通している〈静寧と動乱の遙けき帝国〉というシリーズものなのです(これまで恐らく何方にも気付いて頂けていないのですが……)。「豊穣なる語彙世界」を拵える以前はこの三作を以て言語表現の実験場としておりました。結末までのプロットはあり乍らも永らく完結させられておらず、その意味では有り難くもお読み下さった読者に対する不誠実の誹りは免れません。一応、話の筋らしきものはありますが、どちらかと言えば「豊穣なる語彙世界」のようにお読み下さると有り難いです。勝手を申し上げて恐縮です。

    追伸
    御作で「夜光虫(ノクチルカ)」に出逢えること、楽しみにしております。さぞかし綺麗な光を放ってくれることでしょう。

    編集済