のちくゆ

きそ の ゆめ

みえてのちくゆ

みしらざり き

たをおもひしか

しるよしもがな


昨夜きぞの夢

見えてのち

見知らざりき

を思ひしか

知るよしもがな


【通釈】

昨夜見た夢の中で(貴方に)逢って後悔した。見知らぬ誰のことを(貴方が)思っていたのか知る方法があればいいのに。


沓冠くつかむりの習作なり。


【語釈】

沓冠くつかむり:和歌の表現技法である折句おりくの一つ。ある語を、各句の初めと終わりに一音ずつ計十音で読み込んだもの。句を人間に見立てて、頭に冠を載せ、足に沓を履いているという意味の命名。


参考:

『日本国語大辞典〔第二版〕』(小学館)

渡部泰明編『和歌のルール』(笠間書院、2014)


君見たし、長き夢

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