応援コメント

太陽虧」への応援コメント

  • 勉強させていただいております。

    作者からの返信

    坂本忠恒 樣

    初めまして。工藤行人です。
    この度は拙文に★やフォロー、コメント頂戴しまして有り難うございます。

    物語ることよりも語彙や修辞に強い興味・関心を寄せ乍ら書いております。言葉の世界は極めて広く深く、私も日々に驚いたり気付かされたりしてばかりです。

    今後ともよしなにお付き合い下さいますと幸甚です。

    追伸
    先刻、御新作『眠れる乙女と永遠の海』を拝読しました。素晴らしい日曜の午后の一時を頂戴した気が致します。有り難うございました。

  • 2012年5月21日に日本で観測された金環日食のことを思い出しました。家族で日食メガネを揃えて楽しく観測しました。日本でも話題になりましたよね。

    作者からの返信

    中澤樣

    此方にもコメント、有り難うございます。
    もう九年前になりますか。方々で遮光板や日食メガネが売り切れましたね。懐かしいです。当時、あまり電話を掛けてくることのない父が電話口で興奮気味にしていたのを思い出しました。中澤さんご一家は皆さんでご観察とは何とも微笑ましい光景、愉しいご家族の思い出になったでしょうね。

    古代の人々にとっては何か特別の意味を持った神秘と畏怖の天象であったに違いありませんが、現代にあってはワクワクする天体ショー、こういう誰にも害を及ぼさないであろう平和なイベント、今こそ何かないものでしょうか。

  • 工藤様、コメントを失礼いたします。
    「末嫩(うらわか)い」は春に、ぴったりの語感ですよね。連載中の拙作で、いずれ用いたいと計画中です。計画倒れにならないよう、春の萌しが残るうちに実現させたいものですが、どうなりますでしょう。
    「案下某生復説」「紹前齣復説」「劫説」、これらの印象的な語が『近世説美少年録』に載っているのでしょうか? だとしましたら、お恥ずかしながら知る世界ではないところ。参考になさっている著書も未知の書物ばかり。いつもながら語彙世界の存在と、工藤様の使命感に敬意を表します。少年と言えば『絶対安全少年』のイラストの話の続き……あの本の和装少年は何とも麗しく(和装に限らず麗しく)、まさに「末嫩(うらわか)い」という表現が嵌まりました。
    月の「盈(み)ち虧(か)け」……「満ち欠け」より断然、ミステリアスです。朔と萬月をうつろう姿をいっそう、幻想的に伝えてくれる語彙に思えるのです。

    作者からの返信

    宵澤樣

    いつもコメント有り難うございます。
    「末嫩い」が宵澤さんの御作で拝見できるかも知れないとのこと、その「末嫩い」がどのように「羽包まれる」のだろう、などと考えながら悠暢と楽しみにしております。

    「案下某生復説」以下、中国俗語表現を意識したとも思しき話題転換語は馬琴の『近世説美少年録』に散見されます。私も初めて読んだ時は唸りました。同作の活字本として参照しやすい新編日本古典文学全集(小学館)の頭注では、例えば「紹前齣復説」について「前齣ヲ紹《つ》ギテ復《ま》タ説ク」の意とあり、現代語訳では「さてまた」となる具合です。他にも「間話休題《あだしごとはさておきつ》」「不題《こゝにまた》」「折衷本齣逓説《さてもそののち》」などが見られます。漢字の表意とやまとことばの音色を組み合わせたこういった義訓というか言葉遊びこそ、近世戯作の魅力、言葉を「使いこなす」お手本のように思われてなりません。既存の表現に甘んじない、表現の摸索の営為が垣間見られるからです。

    『絶対―』ポプラ文庫版のあとがきによれば「単行本の当時のイラストも、ほぼそのまま収録している」とのことですので、文庫版〇三五頁の、黒猫を抱いた少年のイラストは「遊郭の少年」中に挿されたものである可能性が高いと思われます。仰るように、例えば「読み違え「少年」詩歌集」に所載の、涼む浴衣の少年のイラストなどは、柔らかな骨格の描写に起因するのでしょうか、何とも言えない艶があるように私にも思われ、確かに「末嫩い」がピタリと嵌まりそうですね。長野作品に登場するような、佇まい、所作、言葉遣いに「礼節」を持った少年は現今なかなかお目に掛からなくなりました。

    「盈虧」、天象が未解明だった時代の妖しげな雰囲気を纏っていて私も好んで使っております。そういえば、人の時間も月の回帰や季節のように循環すればいいのに、などと思いながら『絶対―』を見返していましたら、"El arte est largo, la vida corta"(アートは長く、人生は短い)、"少年易老學難成"とあるイラストに邂逅して、何やら叱られた子どものような心境になりました……。