第3話 予想外は続くよ
僕は今から、ナツホとの三度目のオフ会を迎えようとしていた。一度目のオフ会の後、あろうことかナツホの方から僕を遊びに誘ってくれた。そして三回目のこれは僕が誘った。ついにナツホをカラオケという密室に誘ったのだ。オフ会?いや、デートかもしれない。そうだ、これはデートだ。そして僕は決断していた。このデートで、ナツホに告白すると。カラオケで告白がいいのか悪いのか僕にはわからない、ネットの人の意見を参考にしようにもそんなものは千差万別。僕は僕の価値観でナツホに告白する。そもそも背伸びして付き合ったって、付き合ってから大変になるのは僕の方だ。だから決めた。自然体の僕でナツホに告白する。彼氏は今は欲しいと思ってない、ナツホは前にそう言っていた。だから無理かもしれない、でももう気持ちを抑えられなくなっていた。
カラオケに入った僕たちはまずフリードリンクを取りにいった。前を歩くナツホが可愛くて僕はまた可愛いなぁと呟いた。ナツホは少し照れて顔を赤らめながら「かわいくないですー!」そう言った。そんな些細なやり取りがすごく幸せだった。そもそもカラオケに女子大生と二人きりで入る日が来るなんて夢にも思っていなかった。しかもただの女子大生じゃない。ナツホだ。美人で巨乳で小動物みたいなナツホだ。これだけで人生勝ち組じゃないか。
しかし、カラオケに来たはいいものの、僕にはろくに歌える歌がない。僕が好きなのはハードロック。とても素人が歌えるようなジャンルではない。いや、それ以前に、女子の前で歌うの恥ずかしすぎるだろ乙!
僕がモジモジとしていると、ナツホが、私から先に歌おうかなと言って曲を入れてくれた。その歌のタイトルは森のバターというタイトルの歌だった。独特なタイトルだ。ナツホは歌もうまかった。「♪君に投げつけた森のバター♪」
耳が気持ちよかった。ナツホが歌い終わると僕は全力で拍手した。すごい、うまい!!!と褒めたたえた。
音楽が鳴りやみ、モニターではカラオケ店独特のCMが流れている。「何かいれる?」ナツホが問いかける。「うーん、まだいいかなぁ」完全にモテない男のすることだ。女の子に先に歌を歌わせ、何か入れると聞かれても入れる曲が決まらない、というか恥ずかしくて歌えない。カラオケを選んだ自分を激しく後悔した。
少しテンションが下がっている僕にナツホが話しかける。「ねぇねぇ、大福君は私のことどう思ってる?」相変わらずナツホは僕の心を乱す人だ。
地に落ちろ自己中 @Ihopeyoudie
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