第2話 オフ会当日
オフ会当日。僕は大学内の喫茶店に向かった。こんなところに入ったことは一度もない。だが、相手から陰キャと思われたら負けだ。手慣れてるフリして喫茶店待ち合わせを僕から提案した。すると、予定時間から少し遅れてナツホらしき子がやってきた。ナツホは僕の思っていた数倍可愛かった。事前に服装を伝えておいたので、ナツホは僕に気づき、ひょこひょこと小動物のようにこっちへ向かってきた。
「大福くん…?」ナツホはこんな僕相手に少し照れながら話しかけてきた。
僕は緊張よりも「かわいい!」で脳が支配されていたので思っていた以上に緊張せず、「そうだよ!ナツホちゃん??やばいね、めっちゃかわいい」いきなりナンパまがいの発言をしてしまった。
それから僕らは喫茶店に入り、ウルトラバキュームモジャモジャフラペチーノを飲みながら談笑した。思っていた以上に会話が弾んだ。何もかもが予想の上を行く展開だった。あまりにもうまくいきすぎている、怖くなるくらいだった。
「今日は楽しかった、面白い話聞けて良かったw」ナツホがそう言った。
「いやいや、俺こそ、遊んでくれてありがとう、また是非是非是非遊んでね!!!!」僕は自分でも自分が童貞とは思えないくらいの猛プッシュ。でも、それくらい気が合ったのだ。僕はブサメン非モテコミュ障陰キャ友達ゼロ人クソ男だけど、この勝ち組美人巨乳美白小動物系JDと予想以上に気が合ったのだ。きっと僕だけじゃない、相手もそう思ってくれている。そんな気がした。
ナツホと解散した帰り道、少し寒い気温だったが、僕の体はすごく火照っていた。人生の充実感を感じ、世界が生ぬるく感じた。こうも世界は優しいものだったのか。これまでの極寒の冬に放置された鉄版のように冷たい冷徹無比の世界が嘘のようだった。
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