貧乏くじ男、東奔西走 ~奔る人は輝いている~
紺藤 香純
貧乏くじ男、東奔西走
「名古屋来ちゃったよ」
「どんどんパシリのスケールがデカくなってんだけど」
「そしてどんどん木更津から離れてんだけど」
「くそ、こうなったら名古屋バージョンだ、木更津~キャッツ!」
「みャ-!」
「キャッツ!」
「みャ-!」
「キャッツ!」
「みャ-!」
◇ ◆ ◇
今回の「同題異話」のお題を拝読して思い出したのが、上記のワンシーンでした。
2002年に放送されたテレビドラマ「木更津キャッツアイ」。
残念ながら、私はリアルタイムで視聴できず、ビデオと文庫版で知識を補充しております。
ドラマの内容を説明しようと考えたのですが、これを読んで下さっているかたがたの方がよく知っていらっしゃるんでないかと思い、自力で書くのを諦めました。
それなので、文庫版の粗筋を引用します。
海ほたるとアクアラインの街、木更津。
余命半年と医者から宣告されたぶっさんを中心に、元高校野球部の仲間バンビ、アニ、マスター、うっち-の5人組が、昼は野球とバンド、夜は謎の怪盗団〈木更津キャッツアイ〉を結成し、騒動に巻き込まれながらも、友情や約束や絆や大切なものを確認していく。宮藤官九郎、初のオリジナル連続ドラマにして、数々ご褒美もいただいたランニングホームラン作。
脚本はあのクドカン!(失礼)
V6の岡田准一さんを筆頭に出演者も豪華!
知識を補填した私が言うのは変ですが、とにかく面白い!
そして、“ぶっさん”が不憫。何かと騒動に巻き込まれ、走り回ります。というより、奔り回ります。
冒頭で引用したセリフは、木更津からあまり出たことのなかった“ぶっさん”達が、昔の知り合いのお使いで名古屋にまで来てしまったシ-ンです。
やっぱり不憫。しかし私には、そんなぶっさん達が輝いて見えました。
21世紀が始まりテレビドラマに現れ、最終話をぶっちぎって、映画でも奔り回った、ぶっさん。
ぶっさんの輝きは、17年経った今でも色あせません。
ここまで書いて、ふと考えました。
今は、ぶっさんみたいに奔り回っている“人”がいるのかな、と。
すぐに思い浮かんだのは、“金栗四三”。今年の大河ドラマ「いだてん」の主人公のひとりです。スポーツというものが確立していない近代日本で、日本人として初めてオリンピックに参加した人物。まだ第1話しか放送されていませんが、もうすでに四三さんは輝いて見えました。(あの“猫田”が田畑……いや、何でもありません)
“金栗四三”というキャラクターは、平成から新しい時代にかけて奔ります。
滅茶苦茶でも、無謀でも、損な役回りでも、奔る人は輝いています。
とりとめのないエッセイ風は、ここで終了です。
乱文を失礼致しました。
※冒頭のセリフは、宮藤官九郎『木更津キャッツアイ』(角川書店 平成15年9月25日)より抜粋しました。
貧乏くじ男、東奔西走 ~奔る人は輝いている~ 紺藤 香純 @21109123
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