占星遊戯

安良巻祐介

 

 大きな蝙蝠を肩に乗せた星術師が、僕の傍へやって来て、賭博をしようと誘ってくる。

 星術師は黒い滝を流したようなローブを羽織っており、首筋に銀の十字架を埋め込み、右眼には赤い宝玉を義眼代わりに嵌めている。

 天井に付きそうなくらいに高い背を窮屈げに折り曲げて、こちらを見下ろして、賭博をしよう、と下手くそな英語で繰り返すのだ。

 僕はその、埃及木乃伊に化粧をしたような、乾いて醜い痩せ顔を見上げながら、毎晩毎夜、そっと首を振って断りを入れる。

 彼がすでに、死んで千年もたっていなければ、喜んで応じてやるのだが。…

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占星遊戯 安良巻祐介 @aramaki88

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