仕事と健康について

 今日は町に大雨が降り、真夏日だった気温もかなり落ち着いた日であった。あなたの住む場所はどうだっただろうか。台風も近付いてきているという、低気圧に弱みを抱えているのならば無理はしないでほしい。


 今回は、健康について書こうと思う。


 つい先日、激務のために覚醒剤を濫用していた元経産省官僚の記事を読んだ。


 私などはとても朝が弱いので、何らかの『頭を覚醒させる物質』を摂ることが多い。何のことはない、エスプレッソや、ちょっとしたビタミン剤である。


 それで事足りるのだからなんとも安上がりな人間だ。そのようなものがうっかりリタリンなど処方されて飲んでしまってはどうなるものだろうか。


 なんにせよ、非合法なルートで入手した薬物に頼らねば、日々の業務を遂行できないほどに、追い詰められてしまう人もいる。


 大なり小なり、仕事というのは、身体を壊しながら行うものだと思う。


 何故なら、人類は一日八時間の労働を週五で行えるようにはなっていないからだ。そのようなことを始めた歴史は浅い。我らが進化するまでに、あと百万年ほどはかかるのではないか。


 私には無理だった。


 既に諦めている。


 ただでさえ、やがて死ぬ命を生かすことの不毛さにうんざりとしているのに、何故その時間を労働などに費やさねばならないのか。


 それが、やるべきことであるのならばまだいい。


 しかし現実は、やってもやらなくてもいいことばかりである。むしろ、やらない方がいいこともある。やらねばならぬことは、すっかり機械がやってくれるようになってしまった。どうしても人が必要な場所はあるだろうが、私にお呼びはかからない。そういうことなのだろう。


 ここまでは、同様のことを前にも書いた。


 そういったところで、さて、健康の話である。


 友よ。


 柔らかい布団の上で眠っているか。

 椅子に座り、机の上に乗った物を食べているか。

 最低でも一日三回の小便と、一回の大便は出ているか。もしくは、出過ぎてはいないか。


 睡眠、食事、排泄。私が心配するのはその三つである。中でも、寝る、食うは我慢ができてしまう。親愛なる自殺志願者の方々は誰もが非人道的なほどに我慢強い。私はそれも心配だ。


 眠れているからといって、それが電車の座席の上であってはならない。


 食べられているからといって、運転する車の中で栄養機能食品を齧っていては食事とは呼べない。


 それが疎かになっている場合、あなたの働き方はおかしくなってしまっている。


 あまり無責任な物言いはできないが、しかし、即刻休むか、辞めてしまうべきだ。


 大丈夫だ。金が欲しいのなら方法はほかにもあるし、多くの仕事は既に人類にとって必要のないものだ。


 もう一つ、私の近況を報告しよう。


 先々月。私は、虚無の作業に従事していた。


 いわゆる、下請け業務である。とある製品の検品。傷や汚れが無いかのチェックを行っていたのだが、そこで、衝撃の事実を知らされた。


 下請け会社で私が検めたものを、送った先の本社で、また再び見ているというのだ。


 ダブルチェックではない。実はトリプルチェックだ。本社で検品したものを、私が検品し、さらに戻した先で検品しているのだ。


 間に挟まっている私の存在は、何と呼べばいいのだろうか。すべてそちらでやってくれれば、余計な仕事と金を増やすこともなく、もっと円滑な社業ができるのではないか。


 文句は言うまい、その虚無の労働で、私もいくばくかのろくを得たのだ。ついでに書くと、安全性には何の影響もない箇所だ。単なる見栄えのために行っていた作業である。


 よくよく、視野を広げ、冷静に考えてみて欲しい。


 あなたの日々の作業が、健康を害し続けているその作業が、果たして何になっているのか。


 そして、「いや、この仕事はどうしても人間に必要不可欠だ」と思われたのであれば、教えて欲しい。


 猫の手でよければ、貸そうではないか。

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