自己分析
祖父江直人。
人当たりは悪くない。積極的とはいえないが、他者とのコミュニケーションに問題はなく、もっぱら趣味の領域では率先して人との関わり合う傾向がある。
他者からの評価では優しい、強く印象に残らないが無害、といったものが多くあるが、同時に、言動の端々には情緒的な冷たさを感じさせる。
人の言うことをよく聞き、理解し、共感を寄せ、適応的な反応を示せる。しかし、自身の意に沿わなければ「こうした方が良い」といった助言は聞き入れず、自分が思うやり方に固執する。その非効率さや、指導者の考えと合致しないことを指摘されると、露骨に不機嫌な反応を示す。生来の頑固さと、「人の言うことを聞き過ぎて失敗した」という反省から、自らの領分を侵されることに過剰に防衛的になっている。
また、ほとんど生まれつきに様々な部分で気力が無く、それ故の虚無的な思想を持っている。
何事をやるにも当初は責任感を持って、自らを厳しく律してことに当たるように見えるが、気分の落ち込みを制御できず、やがて無気力が顔を出す。社会生活者としてはことごとく破綻しており、それを、その場しのぎの適応的振る舞いか、もしくは、独特かつ虚無的な思想を育て上げることで直視しないようにしている。
身体は常に一定の緊張状態と、自堕落な非緊張状態が同居している。精神には諦めがあり、自我は虚ろである。現実離れした妄想の世界に耽溺して自らのままならなさを慰撫する傾向がある。
生きていたいという欲望が希薄で、この社会に適応しようという試みも悉く失敗に終わったことから、かつては「自分など生きている価値もない。生まれてくるべきではなかった」という強い希死念慮があった。
行動は基本的に回避的。反応に攻撃性はほとんど見られない。他者との軋轢や、緊張感のあるやり取り、迷惑をかけることを徹底的に忌避しており、人と接する上で喜びがあっても、ちょっとした煩わしさに即刻塗りつぶされる。そのこともあって、先述したように人当たりは良いが、深い間柄にはならない。
自己評価に過剰さや卑下はなく、何もできないと断じる自己不全感も幼児的な万能感もない。他者評価も素直に受け取るが、自身や他者を失望させる結果に終わることへの恐れと、煩わしさを嫌う性質から、常に自分の能力より一段か二段下の場所に安住しようとする傾向がある。
挑戦心や開拓心とは無縁。できると確信したことしかやらず、それさえもしばしば(巡り合わせの悪さや、偶然の作用もあって)失敗するので、ますます自発的な行動は無くなっていく。
人生において成し遂げたいことや欲しいものがない。「何をしたところで、どうせいつかは死んでしまう=何をしても無駄」という虚無的な諦めが常にある。何かができる権利を得られることより、何もしないで済む権利を喜ぶ。
他者との交際や家庭といった情緒的な関係にはほとんど興味はなく、あったとしても、創作による疑似的な体験で十分に満足してしまう。
映画・音楽などを視聴して大きく感受性を刺激される。また、創作にも強い興味を示すが、自己満足の域を出ず、職業にできるほどの芳しい評価を得られることはない。
健康状態は良好そのもので、過去に大きな病気をしたこともなければ、手術や入院が必要な怪我を負ったこともない。あまりにも就労が続かず、心療内科にてうつ病と発達障害などのチェックシートと診察を受けたが、結果は「問題なし」だった。不眠や過眠、拒食・過食、自傷行為といった症状が出たこともない。何らかの薬の処方を提案されたが、「人生をより善いものにしたい」という気持ちが無かったので、拒否。
今は希死念慮も薄くなり、むしろ生死には無頓着。肉親に死期が迫ったと告知を受けたときも「人は死ぬもの」と執着せず。自分の死にざまにも「できれば一瞬で楽に終わる即死がいい」という望みはありつつ、興味はない。
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